最終目標はバルセロナ! 森岡亮太が描く欧州最高峰へのイメージ(後編)

2017年12月28日 高村美砂

一歩ずつ着実に階段を上がっていくイメージからエスカレーターで一気に上に行くイメージへ。

ウインターブレイク突入前の時点で7得点・9アシストの成績を残した。最終目標のバルサ入りへ森岡のチャレンジは続く。(C) Getty Images

 昨季ポーランド1部のヴロツワフで8得点・9アシストの結果を残した森岡亮太は、今季からベルギー1部リーグのワースラント・ベベレンに移籍し、確実に存在感を示し続けている。開幕戦のRCゲンク戦からウインターブレイクによる中断までの21試合、すべての試合に先発し、うち18試合でフル出場を続け7ゴール・9アシスト。得点数はリーグ6位、アシスト数はリーグ2位の活躍ぶりだ。
 
 しかし、じつはこのベベレンへの移籍に関して当初は、「本当にこれがステップアップの移籍になるのか」と悩んだ時期もあったという。最終的にバルセロナを目指す25歳の森岡にとっては、できるだけ早期のステップアップの必要性を感じており、最低でもブンデスリーガへの移籍を思い描いていたからだ。
 
 だが、オファーがきたのはベベレンのみ。正確に言うと、もう少し時間をかけさえすれば他クラブからの話を詰めることもできたはずだが、昨シーズン、それを試みて結果的に移籍ができずに終わった経験をしたからだろう。「自分が決めた移籍期限までに正式なオファーが届いたクラブに移籍をすると決めていた」と森岡。同時に欧州でステップアップを実現していくことに対して、自分が理想を描きすぎていることにも気がついたと笑う。
 
「もともと僕は海外に『一歩ずつ、着実に階段を上っていくイメージ』で来たのに、こっちにきて周りのレベルを実感したこともあって、一気にエスカレーターで上に行くイメージを描くようになっていた。もちろん、エスカレーターに乗れるチャンスがあるのなら、乗るべきだとは思う。でも、それがなくて、少しでも階段で上にいけるチャンスがあるのなら、それにトライすべきだと考えた。
 
 実際、今このベベレンにきて、その決断は間違っていなかったと思っています。ジュピラー・プロリーグはポーランドリーグよりもレベルが高いし、チームとしての質は高くなくても、その中に1~2人は圧倒的にレベルの高い選手がいたりもする。その相手と対峙することで自分が得ること、鍛えられることも多いですしね。そして何より、ベベレンでプレーしていることで、新たな道も拓ける予感も持てています」

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