堂安律がオランダで乗り越えた壁【後編】「24歳にはCLでベスト4に入るチームで…」

2017年12月26日 高村美砂

「10代で活躍している選手がウジャウジャいる。19歳である自分に焦りすら覚える」

U-20ワールドカップでは主軸としてベスト16入りに貢献。この大会に出場した選手のなかには、すでにビッグクラブでスタメンで出るような選手もいる。堂安の視線も遥か先にある。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 堂安律がオランダで存在感を高めている。12月24日のスパルタ・ロッテルダム戦では、今季3ゴール目をゲット。本人もG大阪時代より厳しいトレーニングをこなすなかで、試合でも確固たる手応えを掴んでおり、「確実に成長している実感もあるし、それが充実感につながっている」という。果たして堂安は、オランダでの充実を次なる飛躍へとつなげることができるだろうか。
 
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 堂安律がオランダで感じているという"充実感"は公式戦への出場時間にも示されている。たベンチを暖めるだけに終わった2節からの"4試合"を経て、6節以降のリーグ戦には12試合中、11試合に先発出場。もっとも、だからといって、本人に満足感はない。むしろ世界を舞台に躍進する同世代の活躍を見て、焦りすら覚えているそうだ。
 
「U-20ワールドカップの時は正直、同世代に対して、そこまでの差を感じなかったけど、約半年が経って世界を見渡すと、あの大会に出場していた選手が、余裕でビッグクラブでも活躍していますから。U-20イングランド代表で、同大会でMVPを獲得したFWドミニク・ソランケ(リバプール)はプレミアリーグでも先発しているし、予選で対戦したU-20ウルグアイ代表のMFロドリゴ・ベンタンクール(ユベントス)はチャンピオンズリーグでバルセロナと戦い、メッシに股抜きをされていた。それを見て『やっべ~!羨ましすぎる!』と(笑)。
 
 他にも、海外に来てみると、10代で活躍している選手もウジャウジャいるし、ビッグクラブを見渡してもホンマに凄い選手は、20代前半でチームの中心選手ですから。同じエールディビジでいうとPSVの11番、22歳のイルビング・ロサノも僕と同じくらいの体格で得点ランクでも1位を走っていてビッグクラブへの移籍が囁かれているし、アヤックスの10番、24歳のハキム・ジイェクもめちゃめちゃうまい。そういう選手たちの存在を同じリーグで感じられていることは大きな刺激だし、19歳である自分に対して焦りすら覚えます。でもそういう状況に身を置いてサッカーをしていることが今はすごく楽しい」

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