”ポスト遠藤保仁”となれるか?カップ戦を制したG大阪ユース・岩本翔が持つ可能性

2017年12月25日 塚越 始

良質なパスで攻撃を操る岩本翔。決勝のパフォーマンスは圧巻だった。

世代別代表歴もある岩本は既にJ3デビュー済。今季は11試合に出場し、1ゴールを挙げた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 12月24日、Jリーグ・インターナショナルユースカップの決勝が長野Uスタジアムで行なわれ、ガンバ大阪ユースが京都サンガU-18を4-0で下して優勝を果たした。圧巻の強さを見せた青黒軍団において、最後の2試合で強烈なインパクトを残した選手がいる。16歳の司令塔・岩本翔(2年)だ。
 
 決勝進出のためには大量得点が必要だった23日に行なわれたグループステージのマルセイユ戦。チェイシングからボールを奪い2点目の起点となるパスを放つと、3点目もアシスト。さらに試合終了間際に7点目のゴールを奪い、7-1の大勝に大きく貢献した。

 決勝は先日のJユースカップ決勝で敗れていた京都サンガU-18が相手とあって、岩本は「必ずリベンジしたい」と意気込んで臨んだ。すると、左サイドの深い位置に切れ込んだクロスから永山周平の先制点をアシスト。さらに相手を引き寄せたクサビのパスで2、3点目の起点にもなった。
 
 タイトルの懸かった2日間。もっともゴールに絡む働きを見せた岩本は初々しく語る。
 
「パスにこだわりは持っています。さらにドリブルをはじめ、もっと仕掛けていくことを今は心掛けています。そこは實好監督からも言われています。でも、まだ……ドリブルに自信はないです。でも、どんどんチャレンジして、自信をつけいきたいです」
 
 決定的な仕事を求められ、大事な試合で期待に応え、ピッチ上での存在感は試合中に増していった。有言実行で京都U-18にリベンジを果たしたあたりにも頼もしさが感じられる。

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 その岩本がずっと憧れてきたのが、G大阪のレジェンド・遠藤保仁だ。
 
「自分が攻撃を作ること、どんな時にもチームの中心で落ち着いていること、そういった姿勢を見習いたいです。いつも冷静でいながら中心となって攻撃を作れるような選手になっていきたいです」
 
 今大会のプレーは、自身が描く遠藤保仁像と重なる活躍ぶり。加えて、遠藤と似て非なる、「岩本像」も見せ付けた。俊敏性を生かして限られたスペースを突き、そこで確実にボールを収め、長短の高精度のキックを放つ。相手の嫌がるエリアへ挑みかかるように進出し、決定的な仕事をする"らしさ"を見せた

次ページ「プレーする姿はずっと観てきた」というレジェンドとの共演が直近の目標だ。

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