【松木安太郎】韓国戦の敗因はベーシックな部分。日本には"戦える選手"がいなかった

2017年12月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

前半に3点も取られたのは、相手のハイペースに付き合ってしまったからだろう。

チームとしてのまとまりを欠いた日本は攻守ともにチグハグ。小林は前線で孤立していた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 韓国戦は残念なゲームだったね。立ち上がりにPKで先制したにも関わらず、あっという間に逆転されて前半だけで3失点。後半にも1点を追加され、終わってみれば1-4だ。とても、ホームゲームとは思えないスコアだよ。
 
 前半に3点も取られたのは、相手のハイペースに付き合ってしまったからだろう。開始早々にリードしたんだから、パスをつなぎながら試合のテンポを落として、自分たちのペースに持ってくればよかった。ボールを奪ったらGKまで下げて様子を見るとか、そういう時間が必要だったんだ。

 相手のやりたいことに付き合わないのは、ゲームコントロールの基本だよ。ハリルホジッチ監督が縦に急がせるから難しいのかもしれないけど、選手が感じて変えてほしかったよね。
 
 失点シーンで言えば、3点目が一番気になったかな。ディフェンスが左サイドに寄せられてバランスを崩し、逆サイドに振られてフリーの選手に決められた。あれは不慣れな植田直通をサイドバックで使った影響もあったと思う。
 
 語弊を恐れずに言えば、サイドバックは絞り過ぎずに、サボらなければいけない時もあるんだ。植田はシュートを打たせまいとして中央のカバーリングに入ったけど、その結果、逆サイドにフリーの選手を作ってしまった。上手くボカしながらどちらにも対応できるポジションを取っておけば、あれだけフリーで打たせることはなかっただろう。
 
 韓国戦は3バック気味になっているシーンが多かったのも気になったね。サイドバックと中盤のポジショニングが上手くいっていなかったんだと思う。代表での経験値の低い植田が入っているのが原因なのか。それとも監督の指示を忠実に守ろうとして後手に回ってしまったのか。ハッキリした原因は分からないけど、バランスは崩れていたよ。
 
 ただ、韓国戦の一番の敗因は、ベーシックな部分なんだ。ボールを取りにいかないとか、マークが甘いとか、相手に寄せないとか……。なぜこんな事態になったかと言えば、日本に"戦える選手"がいなかったからだろう。

次ページボール際で勝てないのは、普段の戦いに厳しさが足りないから。

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