週刊サッカーダイジェスト編集長が見たW杯メンバー発表

2014年05月12日 週刊サッカーダイジェスト編集部

予想外の大久保がどのように起用されるのかが興味深い。

サプライズでもあり、順当でもあり……。大久保のメンバー入りで攻撃の幅はどれほど広がるだろうか。 (C) SOCCER DIGEST

 ブラジル・ワールドカップに出場する日本代表23選手がついに発表された。順当、予想外……と反応は人によって様々だろうが、長く日本代表を追い続けている専門誌の編集者はどう見たのだろうか。
 
 ここでは、週刊サッカーダイジェストの谷沢直也編集長に、選ばれたメンバーについて、さらにザックジャパンの本大会での可能性などを聞いた。
 
◇選ばれた23名について
 
 ほぼ予想通りのメンバー。とくに守備陣では、これまで招集してきた選手がそのまま選ばれた。田中マルクス闘莉王や塩谷司の招集を期待する声もあったが、やはり守備陣はチームコンセプトの理解度が最も重要視された。SBでは駒野友一あたりはどうなるかと思っていたが、アルベルト・ザッケローニ監督の言葉通り、酒井高徳・宏樹といった若い選手が順当にメンバー入りを果たした。
 
 ボランチについては、守備力の高い細貝萌ではなく組み立てにより力を発揮する青山敏弘が選ばれたということは、ケガ明けの長谷部誠に使えるメドがついたということだろう。バランスを考えると、遠藤保仁も含めて順当な選出と言える。
 
◇大久保嘉人の選出について
 
 本誌の予想で唯一外れたのは、工藤壮人でなくて大久保が選ばれたこと。工藤と考えていたのは、岡崎慎司のバックアップとしてのユーティリティプレーヤーという位置づけと見ていたからだ。すべてのポジションにレギュラーとバックアップの2人を置くという考えにおいては、やはり工藤の方がメンバー入りに近いと思われた。
 
 ただ、ワールドカップという大舞台の経験がある選手がひとりでも多くチームにいるのは、心強いものである。国際経験の少ないサブメンバーを見る限り、大久保が前回大会を経験していることもひとつの大きな選出要因となったのではないだろうか。
 
 サプライズと言えばサプライズ。しかし、昨シーズンより好調を維持し、多くの人々が代表入りしてほしいと思っていた選手なのだから、やはり順当と言うべきか。ただ、最近はまったく代表に呼ばれていなかったことで、短期間でチームに適合できるのかという不安は残る。CFに置かれるのか、あるいはサイドか。トップで点を取る能力はもちろん、オフ・ザ・ボールの動きも良く、質の高いパスも出せる選手なので、どのように使われるか興味深い。

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