【現地発】膝の大怪我から4度目の復帰。不死鳥アセンホが9か月のブランクを経てゴールマウスに舞い戻る!

2017年12月05日 エル・パイス紙

「本当に山あり谷ありの毎日だった」

4度目の大怪我を乗り越えたビジャレアルのGKアセンホ。11月30日のコパ・デル・レイでフル出場を果たしている。(C)Getty Images

 ビジャレアルのGKセルヒオ・アセンホのサッカー人生は、まさに試練の連続だ。

 サッカー選手に多い怪我の中でもっとも重い部類に入る膝の前十字靭帯の断裂を、実に4度も経験。最初の3回は右膝で、今年2月26日のレアル・マドリー戦(16-17シーズンのリーガ・エスパニョーラ第24節)では左膝を痛めた。

 この悲劇のネガティブレコードを保持するアセンホは、しかし不屈の男でもある。前3回がそうだったように、今回もまた9か月という長期間のブランクを経て戦列に復帰。11月30日、コパ・デル・レイ4回戦のポンフェッラディーナ(2部B)との第2レグでフル出場を果たし、3-0の勝利に貢献した(ビジャレアルがトータルスコア3-1で5回戦に進出)。

「プロレベルにおいて、これほどまでに重い怪我を4度も経験した選手はそういない。アセンホは膝を壊し、そのたびに戻ってきた。これはひとえに強靭な精神力の賜物だ。マドリー戦で怪我をした直後は、さすがの彼も打ちひしがれた様子だった。でも翌日には前を向き、1日も早くリハビリを始めたいという意欲を示していた」

 約8か月間付きっきりで回復を見守ったビジャレアルのリハビリ担当コーチ、ジョルディ・ビベスも、アセンホの驚異の精神力に感嘆するひとりだ。

 アセンホは月曜から土曜まで、毎日8時間に渡るフィジオセラピ―のリハビリに取り組んだという。ふたたびピッチに戻って活躍したいというその一心で不断の努力を続けた。

「リハビリは何千時間にも及んだ。苦痛で顔をしかめたり、笑顔を浮かべたり、前進したり、後退したり。本当に山あり谷ありの毎日だった。でも僕は決して希望を失うことはなかった。どんな逆境でも、前向きに努力するのが僕のモットーでもある」。戦列復帰後、初めて招集メンバーに名を連ねたセビージャ戦(リーガ13節)の前日、アセンホはこのようなメッセージをツイッターに投稿している。

「アセンホの頭の中は研究するに値する。あれほどの重い怪我から、心理カウンセリングを受けずに復帰を果たすなんて、ただただ脱帽するしかない」。アセンホの超人ぶりにはGKコーチのヘスス・ウナヌアも舌を巻く。

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