【福岡】石津大介は物足りなさを痛感「大事な試合でもウェリ頼みを変えられなかった」

2017年12月04日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「焦りはなく、むしろチャンスは来るだろうと」

松田との交代で63分からピッチに立った石津。攻守に積極果敢な姿勢を示したが、あと一歩が届かなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1昇格プレーオフ決勝]名古屋0-0福岡/12月3日/豊田ス
 
 J1昇格へ、最後の切符を争った大一番はスコアレスドロー。規定(引き分けの場合はリーグ戦上位チームが勝利)によって、4位の福岡は3位だった名古屋に屈した。敗戦を喫してはいない。しかし、敗れてしまった。
 
 試合終了のホイッスルが鳴り響き、スタジアムが揺れる。石津大介はピッチに座り込んで見つめていた。「J1に復帰させるために帰ってきた」と公言していた男の視線の先には、セレモニーで喜びを爆発させる名古屋の選手たちがいた。
 
 大一番でも途中出場だった。松田力に代わって投入されたのは63分。守備では前線から労を惜しまずにチェイシングを繰り返し、攻撃ではボールを受けて得意のドリブル。アクセントとしてリズムを変えてみせた。
 
「アドバンテージが相手にあったので、自分たちは出て行かざるを得ない状況だった。ただ、前半から好機を作れていたし、自分がピッチに入った時のチームの雰囲気も悪くなかったので、必ずゴールを奪えると思っていました。
 
 0-0で時間がどんどん経過するなか、自分は焦りがなくて、むしろチャンスは来るだろうと。それも惜しいシーンで終わってしまったいたので、力が足りなかったのかなと思います」
 
 力が足りない、とは。何が不足していたというのだろうか。「ウェリ(ウェリントン)以外は、ほとんどの選手がそんなに点を取っていない(※ウェリントンがチームトップの17得点。次点が石津の8得点で、以下は6得点の山瀬功治、4得点の松田力と続く)」。石津はそう漏らした。
 
「大事な試合でも"ウェリ頼み"なのを変えられなかった。自分もゴール数は物足りないですし、後半戦はスタメン出場する機会も少なかった。そこを埋めないと。1年でのJ1復帰を叶えられなかったので、またしっかり頑張って、来年こそ昇格したい」
 
 自身の不甲斐なさ、結果に対する悔しさ――。脳裏に焼き付けた景色は、石津をより成長させる糧となるはずだ。
 
取材・文●古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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