レスターの新指揮官も認めた岡崎慎司の起用効果。「本当にいいプレーをしてくれた」

2017年12月02日 田嶋コウスケ

序盤から目を引いた岡崎のハードワーク。

前節のウェストハム戦から一転、岡崎を起用したレスターはチームのパフォーマンスが劇的に向上した。(C)Getty Images

 レスターの岡崎慎司が、3試合ぶりに先発復帰した。

 11月28日に行なわれたトッテナム戦で4−2−3−1のトップ下として先発。攻守両面で大きな存在感を示し、2−1の勝利に貢献した。前節のウエストハム戦で不甲斐ないプレーを見せたレスターだったが、今節における岡崎の起用効果は抜群で、チームパフォーマンスは劇的に向上。「レスターにはこの背番号20が必要だ」と改めて思い知る一戦となった。

 序盤から目を引いたのは、精力的に走り回る岡崎のハードワークだ。守備ではベルギー代表MFのボランチ、ムサ・デンベレの動きをマークしながら、積極的にプレスをかけていく。岡崎がパスコースを限定するため、後方に控えるMFとDFもラインを押し上げやすくなった。巨漢CBのウェズ・モーガンが珍しく前方に飛び出してインターセプトを見せたのも、岡崎がプレスで敵の攻撃を制限していたからだ。

 一方、攻撃面でも眩しい輝きを放った。ひときわ効いていたのが、敵の間に入って、パスコースをつくる動き。味方同士の距離感が改善し、スムーズにパスが回るようになった。開始4分には左サイドに流れた岡崎を軸に、MFマーク・オルブライトン、SBのベン・チルウェルで小気味良くパスを交換。少ないボールタッチで攻撃にリズムを生み出した。こうしたテンポやダイナミズムは、岡崎不在時に決定的に欠いていた要素であった。

 試合後、岡崎も手応えを掴んだ様子で語った。

「自分を入れたら、1~2タッチでボールを叩いて、パスワークにリズムをつくり出せる。攻撃面でも裏に飛び出す動きができるし、守備でも相手を潰したり、遅らせたりすることができる。(リヤド)マハレズのカバーもできるし、そういう柔軟性が出てくると思います。ある一定の効果を出せたかなと」

 レスターが奪った2つのゴールでも岡崎の貢献が光った。先制点の場面では、岡崎がトッテナムのデンベレ→エリック・ダイアーに猛然とプレスをかけた。慌てたダイアーはパスミス。レスターは後方部でボールを回収し、ジェイミー・ヴァーディーのゴールにつなげた。岡崎のプレスが、敵のパスミスを誘発した格好だ。

 また2点目の場面でも、岡崎の精力的なランが効いた。ロングカウンターを仕掛けると、背番号20はダイアゴナルランでシュートコースを創出。マハレズの豪快なミドルシュートにつなげた。得点後、長い距離を走ってきた岡崎が、息を切らして苦しそうな表情を見せていたのが印象的であった。

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