ユニバでの共闘から5年…長澤和輝と谷口彰悟は再び「ロシア」で共演できるか?

2017年11月30日 竹中玲央奈

陽の目を見る存在となった長澤だが、大学時代の活躍ぶりからは遅かったように思えるほど。

ともに日本代表入りを果たした長澤(左)と谷口(右)。代表のユニホームを着て、ともに戦う日はやってくるだろうか。(C) SOCCER DIGEST

 先日行なわれた日本代表の欧州遠征。浦和の長澤和輝の初選出は、国内で一気に頭角を現わす存在ではあったものの、本田圭佑や香川真司といった常連組が外れていただけに、"サプライズ"招集とも呼べるセレクトだった。だが、ACLの準決勝・決勝では出色のプレーぶり。日本代表のハリルホジッチ監督にも、その力を認めさせての選出だった。
【浦和 0-1 川崎 PHOTO】川崎が接戦を制し、優勝の行方は最終節へ
 
 監督自身も「ここ4、5試合。それより前は見てなかったです」と語るように、長澤はごくわずかな期間でのアピールに成功しだ。これは異例とも言えるスピードだろう。そして、ベルギー戦に出場すると期待に違わぬプレーを見せ、さらなる期待感を与えてくれた。帰国後には浦和のACL制覇にも貢献し、いま最も急速に階段を駆け上がっているJリーガーと呼べるかもしれない。
 
 しかし、彼のプロ入り前の活躍を考慮すれば、ここまでの活躍は必然だと言える、もはや、少し遅かったようにも思えるほどだ。
 
 八千代高時代からそのスキルに定評はあったもののアンダー世代の代表経験はなく、全国大会でも目立った活躍はできなかった。卒業後は誘いを受けた専修大へ進学したのだが、結果的にこの選択が大当たりで、1年時にはチームを2部から1部へ上げ、翌年から卒業するまでの残る3年間で関東大学リーグ制覇を経験することになる。
 
 大学時代からは、自身の特徴を「シュートだったりドリブルだったりパスだったり、その場で一番ゴールに直結する可能性のある、いいプレーを選択できる」ことと語っていたが、毎試合その言葉を体現していた。厳しいマークに遭いながらも、苦もなく得点やアシストを量産し、文字通り大学サッカー界においては別格の存在だった。そしてもちろん、そんな選手をJクラブが放っておくはずはない。
 
 長澤には国内の複数クラブからオファーが殺到する。そのなかで当初、彼が選んだのは川崎フロンターレだった。ただ、その後、ケルンからのオファーが舞い込み、川崎との話は破談となったのである。
 
 2013-14シーズンから約2年半にわたりドイツでのプレーを経験した長澤は、2016年に国内へ復帰。浦和から千葉への期限付き移籍を経て今に至る。
 
 ドイツデビューの試合、長澤のゴールへ向かう推進力やボールを失わずに前へ進む技術は、周囲と比べても突出しているものがあった。ケルンにやってきた日本人MFへの地元からの期待度は相当高かったと聞く。だが、負傷もあって結果的にケルンでは目立った成績は残せなかった。
 
 帰国して2年近くが経とうとしている今、長澤は浦和というビッグクラブで躍動を見せ始め、筆者も目の当たりにしてきたそのポテンシャルを遺憾なく発揮している。

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