謎多き北朝鮮代表の現状は? 協会幹部の李康弘理事長を直撃!

2017年12月06日 ピッチコミュニケーションズ

25年ぶりに外国人監督を招聘。海外組の活躍も目立つ。

E-1選手権は「重要なターニングポイントになる」と李理事長は言う。(C)Reuters/AFLO

 E-1選手権が12月8日から(男子は9日から)日本で開催される。日本代表にとっては、半年後に迫ったロシア・ワールドカップの行方を占う貴重な機会にもなるが、初戦で対戦する朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)代表の実情については、あまり知られていない。
 
 ここ最近、北朝鮮代表には様々な変化があった。

 例えば昨年5月には、同国として25年ぶりに外国人監督を招聘している。新たに代表を率いているのは、ヨルン・アンデルセン氏。元ノルウェー代表で、現役時代にはブンデスリーガのフランクフルトで外国人選手初の得点王にも輝き、15年末まではオーストリア2部のSVオーストリア・ザルツブルクの監督を務めていた人物だ。
 
 また、海外組の活躍も目立っている。筆頭に挙げられるのは、ハン・グァンソンだろう。今年3月にカリアリに入団し、北朝鮮選手として初めてセリエAでゴールを挙げて注目を浴びた19歳は、現在はセリエBのペルージャにレンタル移籍中。開幕戦でのハットトリックをはじめ、今季は7得点を記録している。
 
 ただ、代表チームの成績は芳しくない。
 
 ロシア・ワールドカップのアジア予選は2次予選で敗退。アジアカップ2019最終予選でも、香港、レバノンと対戦した3戦で2分1敗と一度も勝ち星を挙げられなかった。11月10日、13日に同予選でマレーシアに2連勝し、ようやく巻き返しを始めた状況だ。
 
 こうした現状を、北朝鮮サッカー界はどのように捉えているのか。そして、今回のE-1選手権は、北朝鮮にとってどんな意味を持つのか。
 
 その答を探るべく、在日本朝鮮蹴球協会理事長で同国サッカー協会副書記長の李康弘氏を訪ねると、開口一番にこう切り出された。
 
「現在は、日本や韓国のいないアジアカップ予選で苦戦している状態。マレーシア相手に連勝したことで持ち直した感はありますが、我々が目指しているのはあくまでもアジアのトップレベルです。その意味でE-1選手権は、重要なターニングポイントとなるでしょう」

次ページハン・グァンソンら海外組の参戦はクラブと交渉中。

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