【セルジオ越後】アジアを制したレッズの戦いぶりは、ハリルにヒントを与えるかも!?

2017年11月26日 サッカーダイジェスト編集部

明確な意図を持って守る。その達成感はあったはずだ。

守備重視で少ないチャンスをモノにする。相手をリスペクトした割り切ったサッカーがハマり、レッズは10年ぶり二度目のACL制覇を成し遂げた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 レッズが10年ぶり二度目のアジア制覇を成し遂げたね。
 
 決勝の相手は、サウジアラビアの強豪アルヒラル。アウェーでの第1戦に1-1と引き分けたレッズは、ホームでの第2戦はR・シルバの決勝弾で1-0の勝利を収めた。2戦合計2-1と文句なしの優勝。素晴らしい結果だね。
 
 相手をリスペクトして、しっかり守って、栄冠を掴んでみせた。守備的といえばそれまでだけど、とりわけ準決勝からは、こうした割り切ったサッカーがハマっていたと思う。まずは失点しないように守りを固めて、少ないチャンスをモノにする。
 
 ファイナルでは、第1戦でも第2戦でもゴールを決めたR・シルバがヒーローになるんだけど、チーム全体の"守るぞ"という高い意識が、アジア王者の称号を引き寄せたんじゃないかな。
 
 点を取られてもおかしくないシーンは少なくなかった。それでも、レッズの選手たちは身体を張ってゴールを守った。それにR・シルバが応えたという感じだ。
 
 準決勝でも決勝でも、敵地での第1戦でアウェーゴールを奪えたことも、戦い方をはっきりさせることができた要因のひとつだろうね。内容よりも結果。勝負に徹して、選手たちも迷いなく戦っていたはず。たとえ押し込まれていても、それは怖がってラインを下げているのではなく、明確な意図を持って、集中を切らさないで守る。その達成感や充実感はあったと思うよ。
 
 大会を通じて印象に残った選手を挙げるとすれば、やはり守備面で奮闘した選手たちだね。もちろん、得点王にはならなかったけど、通算8ゴールを挙げたR・シルバの働きぶりも見事だった。
 
 DFならDFの、FWならFWの与えられたタスクを確実にこなしてみせたからこその優勝だったよ。
 
 アジアのチャンピオンになったレッズは、12月にUAEで開催されるクラブワールドカップに挑むことになる。世界を相手にした大会で、どこまで勝ち進めるか。
 
 今度はホーム&アウェーではなく、一発勝負だ。当たり前だけど、引き分けでOKというわけにはいかないし、どこかで勝ちに行く姿勢を見せなければならないだろうね。

【ACL決勝PHOTO】浦和が10年ぶりのアジア制覇達成! R・シルバが歓喜をもたらす

次ページプライドを捨てでもディフェンシブに振る舞えば――。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事