キエッリーニがアッズーリ内の対立を完全否定! 自身の去就は「感情的じゃない時に検討」

2017年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「CL決勝の時と比類する“作り話”」

現在、33歳のキエッリーニ。再浮上を誓うアッズーリにとって、彼の経験は有用だと思われるが、果たしてどのような決断を下すだろうか。 (C) Getty Images

 60年ぶりにワールドカップ(W杯)出場を逃したイタリアは、解任されたジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督とベテラン勢が対立していたとも報じられている。だが、"重鎮"のひとりであるジョルジョ・キエッリーニは内紛を否定した。そして、気になる代表での進退にも言及している。


 戦術面やマンマネジメントを批判されていたヴェントゥーラ監督は、スウェーデンとのプレーオフ第2レグを前に、方針転換を提案したベテラン勢に激怒し、辞任をちらつかせて「好きにしろ」と言い放ったともいわれている。そもそも、9月のスペイン戦で0-3と大敗した時に、選手との信頼関係は崩れたとの見方は少なくない。
 
 だが、キエッリーニはイタリア紙『コッリエレ・デッラ・セーラ』のインタビューで、「そういう話を目にしたけど、空想だよ。チャンピオンズ・リーグ決勝でも(ユベントス内部の)喧嘩が騒がれたけど、それと比類する作り話だね」と否定した。
 
 ヴェントゥーラ監督が辞任をちらつかせたとの報道も「全部デタラメ」と一蹴したキエッリーニは、選手たちの責任を認めつつ、今後のイタリアのあるべき姿について、冷静な分析が必要と主張した。
 
「モデルとしては、ドイツのことを考える。でも、周囲を見回し、みんなの良いところを取り入れていこう。近年やってきた有益なことを捨てることはしないでね。僕らには、有能な人材がいる。全員が愚か者なわけじゃない。第一に、僕ら選手が間違えた。だけど、"魔女狩り"のなかでも、バランスを保とう。焦って、今日全てを決めるようなことはすべきじゃない」
 
 もちろん、キエッリーニ自身も「当然のように」落胆しており、W杯に出られないという現実を受け止め切れていないと明かした。
 
「僕らはまだ、何があったのかを分かっていない。全員が、だ。100パーセント認識できるのは、夏になってからだろう。まだ、W杯に出られないなんて、あり得ないことのように思えるからね」
 
 だが、いずれにしてもイタリアは再出発しなければいけない。キエッリーニは「このどん底を、再生のスタートにしなければいけない」と訴えている。
 
「土台となるのは、(スウェーデン戦が行なわれた)サン・シーロの雰囲気だ。あれだけの無条件の愛情は感じたことがなかった。国歌斉唱の時の震えをまだ感じるよ。これはEURO2020に向け、新たなグループを作るのに役立つはずだ」
 
 では、そこにキエッリーニは含まれるのだろうか? これまで、進退について言葉を濁していたキエッリーニは、W杯後に代表からの引退を考えていたと明かした上で、「今より感情的でない時に検討するのが良い」と述べている。
 
 だが、「サン・シーロでは次があるかどうか分からずに、チームメイトたちと挨拶した。僕らベテランが、彼らの助けとなるような何かを残せたことを願っている」とも付け加えた。
 
「世代交代はあった。代表は(マルコ・)ヴェッラッティ、(チーロ・)インモービレ、(アレッサンドロ・)フロレンツィ、(ロレンツォ・)インシーニェで再出発しなければいけない。彼らが2020年の心臓だ」
 
 W杯に出られないという衝撃に揺れ、進むべき道を模索しているイタリア。彼らとキエッリーニの今後がどうなるのか注目される。
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