デ・ロッシに再び賛辞! スウェーデンに自国ファンの愚行を謝罪し、エールを送る“紳士的行為”

2017年11月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

ベテランMFとして代表ラストマッチで品格を示す。

試合に出場することなく、ベンチでチームの凋落を眺めたデ・ロッシ。そんな失意のなかでも品格だけは失うことはなかった。 (C) Getty Images

 現地時間11月13日に行なわれたロシア・ワールドカップ(W杯)欧州プレーオフ第2レグのスウェーデン戦でベンチから戦況を見守っていたイタリア代表MFのダニエレ・デ・ロッシは、予選敗退の危機に瀕している中でアップを命じられ、「得点するためにアタッカーを投入しろ」とコーチングスタッフを怒鳴り散らした。
 
 監督の指示に反発する行為とあり、デ・ロッシは試合後に謝罪の言葉を口にしたが、国の威信を懸けた一戦で自らが試合を出ることよりもチームの勝利を優先した気概には、多方面から賛辞が寄せられている。イタリア版『Sky Sports』によると、世界王者ドイツを率いるヨアヒム・レーブ監督も「素晴らしかった」と称賛した。
 
 さらに同メディアは、試合後のデ・ロッシの紳士的な行動も伝えている。
 
 試合後に代表引退を表明した34歳のMFは、イタリア・サポーターが、試合前のスウェーデン国歌斉唱の際にブーイングを飛ばしていたことを受け、相手のチームバスを訪ねて謝罪をしていたのだ。
 
 同メディアにコメントしたスウェーデンの記者は、ツイッターで「ミカエル・ルスティグから聞いたが、デ・ロッシはファンのブーイングを謝罪し、スウェーデンの全選手にエールを送ったそうだ。偉大な男だ」と明かした。
 
 また、元トリノのポントゥス・ヤンソン(現リーズ)も、スウェーデン紙『Aftonbladet』で、「僕のキャリアで、最も素晴らしいことのひとつだった。本当に彼の振る舞いは紳士的だったよ。真のキャプテンに相応しい振る舞いだった」と、デ・ロッシを称えた。

 さらに元ジェノアのアンドレアス・グランクヴィスト(現クラスノダール)も、「デ・ロッシに大きな敬意を。僕らは、彼に感謝した」とコメントを残している。
 
 イタリアが世界王者となった2006年のドイツW杯では、グループステージ2節のアメリカ戦で、ブライアン・マクブライドへ肘打ちを見舞って4試合の出場停止を科されたデ・ロッシ。その後、所属するローマでフランチェスコ・トッティの後を継ぐキャプテンとなったベテランは、代表キャリアラストマッチで、その品格を示したのだった。
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