英国人記者が見たベルギー戦「日本は世界に健闘した」「若きJリーガーは海外を意識せよ」

2017年11月15日 スティーブ・マッケンジー

長澤はベルギーを相手に勇敢なプレーを見せた

積極果敢なプレーでチームにテンポを生み出した長澤。守備でもきちんとリカバーをこなすなど献身性を発揮した。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 欧州のトップリーグで輝きを放つ実力者たちを揃えるベルギー。結論から言えば、そんな強豪を相手に日本はよく戦ったと思う。
 
 結果は0-1の敗戦に終わったが、彼らは70分以上も、互角かそれ以上に戦えていた。レッドデビルズ(ベルギー代表の愛称)のファンが指笛を鳴らし、自軍のパフォーマンスに対して失望を露にしたのは、日本がしっかりと戦えていた証だ。
 
 なによりも素晴らしかったのは立ち上がりの振る舞い。とりわけ、最初の30分間は精力的にハイプレッシャーを仕掛け、チーム全員でベルギーに自由を与えなかった。実際、試合後に相手の主将であるヤン・ヴェルトンゲンは、「相手の圧力をかわすのに手を焼いた」と話していたほどだ。
 
 しかし、日本はその自分たちの時間帯に得点を挙げられなかった。鋭いパスワークで随時揺さぶりをかけたが、サムライブルーの戦士たちはラストパスの精度を欠いてしまったのだ。FWの浅野拓磨も味方からパスを引き出せず、決定機に恵まれなかった。
 
 そうした中で目を引いたのが長澤和輝の動きだった。かつてケルンでもプレーしていた若武者は、積極的にボールを求め、シンプルかつ正確なパス捌きでチームにテンポを生み出していた。ミスをしてもその責任に囚われることなく、勇敢にプレーし続けた点は、十二分に評価できる。
 
 そんな日本の脅威となったのが、ケビン・デ・ブルイネだ。
 
 試合前に「ディフェンシブすぎる。戦術面でメキシコのほうがよっぽど良かった」と痛烈なチーム批判を展開して注目を浴びたMFだが、この日は組み立てからフィニッシュワークに至るまで、ありとあらゆる役割をこなして攻撃の軸となっていた。
 
 日本は、65分にベンチに下がるまで洗練された動きを見せ続けたデ・ブルイネの対応に追われ、彼がボールを持つたびに後退を余儀なくされた。しかし、彼がマンチェスター・シティで、ジョゼップ・グアルディオラ監督の薫陶を受け、プレミアリーグの舞台で躍動していることを考えれば、それは当然の流れだったかもしれない。

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