長友佑都が日本の守備を分かりやすく解説。行くべきか、行かざるべきか――それが問題だ

2017年11月13日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「みんなと瞬時に意思疎通して、共有できていないと」

ベルギー戦では守備の修正が問われるハリルジャパン。経験ある長友の判断やコーチングにも期待したい。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 行くべきか、行かざるべきか。それが問題だ。
 
 世界の中では格下と位置づけられる日本がワールドカップで勝つために、「ポゼッションを捨てて、ブロックを作ってカウンターにすべてを費やす」(吉田麻也)サッカーで勝負しようと画策する。
 
 もっとも、ただ引いてばかりではなく、機を見て前から奪いに行く時も必要で、問題はいかにその使い分けができるかだ。
 
「ブラジル戦でたくさん課題が出た。行くところと、行かないところ。そこはみんなすごく意識している」
 
 そう話す長友佑都が、ハイプレスかリトリートかの判断基準について、ベルギー戦を見据えて次のように見解を述べる。
 
「日本とベルギーの状況次第。みんなで行ける状態だったら行っていい。あるいは、ベルギーに少しプレッシャーがかかって、バタついた時にみんなでガッと行くような。
 
 ブラジル戦の後半も、相手のCBの選手が出しどころがなくて、バタバタしている時にプレッシャーに行けば奪えたし、何度かチャンスを作れていた。
 
 僕らの状態と、相手の状態を見て、みんなと瞬時に意思疎通して、共有できていないと、プレッシャーにはいけない」
 
 瞬時の判断や共有はすぐにはできない。長友もその難しさを理解している。
 
「これって、全員の感覚なんです。後ろの選手の声もありますけど、その声が通らない時もある。なので、みんなの感覚がどれだけひとつになっているかは、すごく大事」
 
 もっとも、全員で呼吸を合わせて前から奪いに行っても、個のところで剥がされれば、厳しい状況になる。
 
「ブラジル戦の前半がそう。最初は前から行こうとして、マルセロやネイマールに剥がされると、みんな混乱する時があった。そこは経験ある選手とか、後ろの選手が落ち着かせなければならない」
 
 自分たちの守備ラインのギャップを突かれて攻め込まれるようであれば、「下がってもいいから一回閉めて、みんなでセット」しなければならない。
 
「行かなければいけないと思って、中途半端に遅れて出て行っても、相手の技術レベルを考えれば、話にならないので」
 
 ベルギー戦では、ベースとなる守備のアプローチをどれだけ修正できるかが最大の焦点になりそうだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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