【日本代表】先制されると勝率はゼロ…改めて噴出したハリルジャパンの致命的な弱点

2017年11月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

点を取り返して逆転するエネルギーは日本にはない。

後半は立て直して攻撃に出たが、ブラジルの守備陣に抑え込まれ、セットプレーの1点に止まった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[親善試合]日本1-3ブラジル/11月10日/リール(フランス)
 
 改めて言うまでもないが、強豪国との試合は先制点が重要になる。勝つためには、絶対に先に失点しないことが鉄則だ。
 
 ブラジル戦は、ビデオ判定によるPKでの失点というややアンラッキーな面もあったが、それがなかったともしても17分にマルセロに豪快なミドルを決められるなど、ギアを上げたブラジルを止めることはできなかっただろう。スコアは1-3だったが、ブラジルが3得点後、特に後半は流しており、あのまま攻撃の手を緩めなかったら、もっと失点を重ねていたかもしれない。
 
 なぜ、先に失点してはいけないのか。
 
 失点してしまうと、自分たちのペースを失い、流れをつかめなくなり、チームバランスを崩してしまう。特に強豪国相手の場合、粘って守り、1点奪って勝つという日本にとって唯一無二のゲームプランが早々に吹っ飛ぶことになる。
 
 チームバランスを崩し、相手の流れになってしまうと、そこから盛り返すのは簡単ではない。特に強豪国が相手だと個々の力の差もあり、相当難しくなる。ゲームチェンジャーとなれるような選手がいれば投入して流れを変えることもできるが、日本にはそれだけ圧倒的に個に優れた選手はいない。
 
 また、失点すると心理面に大きく影響する。
 
 先制点を取れば気持ちが盛り上がり、気持ちよく、良い集中力でプレーできるし、守備面でも積極性を増す。もうひとつ身体を寄せたり、もう1歩前に詰めることができるのだ。
 
 しかし、失点するともう1点もやれないと、より失点したくない思考になりがちだ。気持ちに余裕がなくなり、思い切りプレーができなくなる。たとえば守備では自分のことで精一杯になって他人任せになり、連動した守備ができにくくなる。
 
 プランが崩れれば修正をしなければならず、選手起用で後手に回らざる終えない。
 
 そもそも点を取り返して、逆転するには相当のエネルギーを要する。そのためにリスクを負って攻めに出る必要があり、それはイコールさらなる失点の可能性を高めることになる。ブラジル・ワールドカップのコロンビア戦は、まさにそんな試合だった。

次ページまずは失点しないことを優先しなければ、W杯では勝てない。

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