「二面性」を見せたハリルジャパンがベルギー戦で解決すべきポイントは?

2017年11月12日 清水英斗

前半は翻弄され、後半はアクションを起こせた。

日本はブラジルに完敗したが、後半にはポジティブな要素もあった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[親善試合]日本1-3ブラジル/11月10日/リール(フランス)

「私のコメントには二面性がある」という言葉を皮切りに、ブラジル戦を振り返ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督。日本代表のプレーは、ナイーブな前半と、アグレッシブな後半にはっきりと分かれた。
 
 45分間の違いについて、槙野智章は次のように語る。
 
「前半と後半で大きく変えたのは、自分たちからアクションを起こすところ。それをできたのが後半ですね。前半は慎重に受け身で入ってしまったのはあります。吉田選手を含めて後ろの選手は、前半の入りで失点しないように心がけていました。
 
 結果的にビデオ判定でPKを取られてしまったけど、その後も前と後ろのバランス、意思疎通は常に図るように声掛けをしました。1失点しようが、2失点しようが、大崩れすることなく自分たちからアクションを起こそうとはしましたが、相手も質が高いですし、(そのまま前半の)45分間が終わってしまった。
 
 ハーフタイムに『こういう試合だからこそ楽しんでいこう』と、長友選手を含めて言いました。受け身にならず、自分たちからアクションを起こそうとした後半は、フレッシュな選手も入ったことで、前からアクションを起こすことはできたかなと思います」
 
"自分たちからアクションを起こす"。これは具体的に何を示すのか。
 
「今日の試合から逆算して、リトリートする、ブロックを作ることは練習でやってきました。そのなかで、どこにブロックを引くか。ライン設定のところですけど、吉田選手を中心にかなり高めにラインを設定したつもりです。ただ、もう少し、ラインを設定するなかでも、ボールに対してアクションを起こす選手を、後ろから押し出して行くことが大事だったと思います。ブロックを引いて下がるだけじゃなくて、ボールを奪いに行くところ。そこはやらなければいけなかったと思います」
 
 単純に高い位置からガンガン行く、ということではなく、守備ブロックをコンパクトに整えた状態から、ボールを奪うアクションを起こす。それが前半は出来ていなかった。ファーストディフェンスが曖昧で、プレスのスイッチが入らない。相手に付いて行くだけ、見ているだけ。

次ページカウンタ―への対応はいつ解決されるのか。

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