7G8Aの森岡亮太が絶好調のまま日本代表合流へ「自分がどれだけやれるか示したい」

2017年11月05日 中田徹

180センチの上背は相手ゴール前で武器に

いまや森岡は押しも押されもしないベベレンの攻撃の軸。満を持しての代表復帰に闘志を燃やす。(C)Getty Images

 ゲームメイク良し、チャンスメイク良し、そして得点能力良し。最近の森岡亮太は相手ゴール前での"怖さ"も出てきた。
 
 11月4日のムスクロン戦でも、森岡はハイパフォーマンスを発揮し、25分には左サイドからのクロスをゴール中央で、見事に打点の高いヘディングシュートを右隅に決めた。Jリーグ、ポーランドリーグ時代にはなかった、ヘディングによるゴール。しかしながら、ベルギーリーグではこれが3回目だ。足下の技術の高さと豊富なアイデアに定評のある森岡だが、相手ゴール前では180センチの高さも武器になっている。
 
「(クロス)ボールがすごく良かった。今回に限ってはヘッドも良かったですね」と、ムスクロン戦のヘディングシュートは森岡本人にとっても手応え十分の感触だった。
 
"フィニッシャー"として先制弾を決めた森岡は、チームの2点目で"攻撃のスイッチャー"としての働きをしっかりこなした。61分、ムスクロンの攻撃を凌いだべベレンは、自陣で森岡がボールをキープし、味方の攻め上がりを待った。右のオープンスペースに現われたのは、森岡のゴールをアシストしていた左SBのエルディン・デミルだった。森岡のパスを受けたデミルは、さらに味方とのワンツーで前へ進み、ナナ・アンポマーのゴールをアシストした。
 
 キープ力、視野の広さ、判断力、さらに繊細なパスを通す技術が揃う森岡がボールを持つと、チーム全体にグッと前へ出る推進力が生まれる。まさに「べベレンの攻撃にスイッチを入れる男」と言っていいだろう。
 
 10月31日、日本代表メンバー発表記者会見で、森岡の日本代表復帰が明らかになった。実際に森岡本人が代表復帰を知ったのは前日30日のこと。この時、森岡は「キターっ!」と感じたという。
 
「今日、点を取った選手(アンポマー)もガーナ代表に入って、ふたりに『おめでとう』とみんなが喜んでくれました。ただ、日本の相手を聞いて『お前ら、スゲえとことやるな』みたいな感じでした(笑)」
 
 日本の相手はブラジル(11月10日)、ベルギー(同14日)という世界屈指の強豪国だから、チームメートたちが驚いたのも無理はない。
 
 森岡が最後に代表のユニホームに袖を通したのは2014年10月のブラジル戦だった。日本は0-4と完膚なきまでに叩きのめされ、森岡も45分間だけの出場に留まった。あれから3年、「前は普通になにもできず0対4で負けたので、やっぱりフレンドリーですけれど勝ちたいですよね」と、リベンジに闘志を燃やす。
 
 ベルギー代表に対する森岡の印象は、「相当メンツがいいでしょう。どの選手もホント、世界のトップクラブにいて、しかも主軸でやっているような選手ばかり」というもの。世界屈指の強豪との2試合に向け、 「チャンスをもらえれば、自分がどれだけ(強国相手に)できるのかということを明確にできればいい」と抱負を述べた。

次ページ「ポーランド時代は興味がなかった? しょうがないでしょう」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事