【川崎】逆転優勝へ手痛いドロー。それでも手にできたポジティブな要素

2017年10月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

土壇場で追い付くも鹿島との勝点差は「4」に。

勝ち切れず試合終了直後には肩を落とした選手たち。しかし、ミックスゾーンではポジティブな声が聞かれた。写真:田中研治

[J1リーグ31節]柏2-2川崎/10月29日/柏

 降りしきる雨によりピッチにはいくつもの水たまりが浮かぶ。悪天候により30分遅れで始まったゲームは、ボールを蹴れば水しぶきが上がる苦しい戦いとなった。
 
 0-0で迎えた後半、川崎は柏に先手を取られた。クリスティアーノのお膳立てからハモン・ロペスに先制点を奪われると、4分後にはR・ロペスのクロスからディエゴ・オリヴェイラに追加点を決められた。
 
 一方、川崎は持ち前のパスサッカーを荒れたピッチに封じられ、なかなかチャンスを作れない。すると鬼木達監督は53分に大卒ルーキーのストライカー・知念慶を投入。後半頭から起用した森本貴幸と前線に並べ、ハイボール主体の攻撃へと切り替えた。
 
「モリくん(森本)と知念というパワーのある選手が入って来てくれて、起点を作れるようになった」
 
 車屋紳太郎がそう振り返ったように、ふたりがピッチに立った効果は徐々に表われる。53分には知念が左サイドを突破してあと一歩というクロスを森本に送ると、56分には森本が強烈なヘッドを放ち、59分には小林悠がこぼれ球から決定機を迎えた。
 
 そして70分には車屋の左からのクロスに知念が身体を投げ出しながら頭で合わせて一点を返す。続く90分には再び車屋の左からのクロスを今度は小林が頭で決めて土壇場で同点に追い付いた。
 
 しかしこの日、首位の鹿島が勝利したため、勝点差は4に広がった。リーグは残り3試合。次節、鹿島が勝ち、川崎が敗れれば鹿島の連覇が決まる。川崎にとっては厳しい状況だ。
 

次ページパワープレーで活路を見出した点は評価したい。

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