【横浜】遠藤渓太の劇的な決勝点の“伏線”となった68分の失策

2017年10月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「次は出足で負けないようにしようと」

山本(16番)をかわした遠藤(18番)のターンは鮮やかだったが、特筆すべきはスルーパスを受ける前の動き出しだ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ30節]横浜 3-2 鹿島/10月21日/日産ス
 
 勝負を決する遠藤渓太の劇的なゴールには、"伏線"があった。
 
 2-2で迎えた74分、山中亮輔のスルーパスに反応した遠藤は、最初のタッチで対応に来た山本脩斗の逆をとり、振り向きざまに右足で渾身の一撃をねじ込む。
 
「あんなFWみたいなターン、自分ではできると思っていなかったんですけど(笑)」(遠藤)
 
 鮮やかな切り返しだったが、特筆すべきは、パスを受ける前の動き出しの速さだ。
 
 相手DFよりも先に――。そう強く意識したのは、68分のプレーがあったからだ。
 
 左サイドから山中が駆け上がる。遠藤は逆サイドからゴール前に入っていく。そこに山中からクロスが供給されるが、遠藤と並走する山本に間一髪でカットされてしまった。
 
「あれで先に触られたので、次は出足で負けないようにしようと思って」
 
 改めて映像を見返すと、山中がスルーパスを出すタイミングを見計らっているわずか数秒の間に、遠藤は一瞬のスピードで山本を置き去りにし、ダイアゴナルランで鹿島の最終ラインの背後に飛び出していた。
 
 一歩遅れた山本は必死に追いかけるも、先述の"FWみたいなターン"に翻弄されて、遠藤のシュートをブロックできなかった。
 
 試合中でも即座にミスを修正し、相手との駆け引きを制した遠藤が、大きな仕事をやってのけた。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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