「まさか本当に払うクラブがあるとは…」 主力をリバプールに奪われたライプツィヒの誤算

2017年10月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

しっかりプロテクトしたつもりだったが…

ドルトムント戦でも勝利に大きく貢献したケイタ。彼の移籍は、今度も主力を狙われるであろうライプツィヒにとって、良い教訓となったかも? (C) Getty Images

 10月14日(現地時間)に行なわれたブンデスリーガ第8節で、RBライプツィヒは敵地で首位ドルトムントを3-2で撃破して3位に浮上。点取り屋ティモ・ヴェルナーら主力が何人か欠場したにもかかわらず、内容的にも評価できる勝利だった。

 1部リーグに昇格した昨シーズンも、2節でいきなりドルトムントを下して勢いに乗ったこの新興チームは、潤沢な資金によって多くの優れたタレントを有しており、しかも昨シーズンの主力のほとんどが残留したことで、より組織力は高まっている。
 
 そんななか、唯一「売却済み」となっている選手が、MFのナビ・ケイタだ。22歳のギニア代表は、来シーズンよりプレミアリーグの強豪、リバプールで移籍することが今夏すでに発表されている。
 
 昨夏に姉妹クラブであるオーストリアのレッドブル・ザルツブルクから加入し、そのテクニカルかつスピーディーなドリブルで、一躍、欧州中のクラブから注目を集める存在となったケイタ。そんな彼について、RBライプツィヒのオリバー・ミンツラフ会長は「売るつもりはなかった」と『キッカー』誌に語っている。
 
 今夏の移籍市場で、5500万ユーロ(約71億5000万円)の移籍金でリバプールと合意したRBライプツィヒだが、これは設定された契約解除金額をクリアするものだったため、同意せざるを得なかったのだという。
 
「もし、ケイタとの契約に解除条項がなければ、我々が彼を売ることはなかった。この内容で契約を更新してから数か月後、まさか本当にこんな金額を支払うクラブが出てくるとは思いもしなかった」(ミンツラフ会長)
 
 年々、移籍金額は高騰しているが、今夏はネイマールが2億2200万ユーロ(約289億円)でパリ・サンジェルマンに加入し、さらに同クラブは1億8000万ユーロ(約234億円)で18歳のキリアン・エムバペを手に入れている(完全移籍は来シーズン)。
 
 これでさらに相場ははね上がり、5000万ユーロあたりになると、決して高いとは言えない金額となってしまった。これは、多くのクラブにとって想定外のことだったようである。
 
 ネイマールを失ったバルセロナ同様、しっかりプロテクトしたはずが、あっけなくそれを破られて主力を奪われることとなってしまったRBライプツィヒだが、それでも一時は「草刈り場」になるのではないかと危惧されたにもかかわらず、ほとんどの主力を残留させたクラブ力は非常に高い。
 
 今シーズンはチャンピオンズ・リーグ初出場を飾り、国内でも引き続き上位を保つなど、強豪クラブとしての地位を固めようとしているRBライプツィヒ。大金でビッグネームを引き抜くことには否定的という振興クラブは、今後に向け、ケイタの穴を埋めるどころか、さらにチーム力を高める術を探っていることだろう。
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