【現地発】ベイルは終わってしまうのか? W杯を逃し、マドリーでも立場が…

2017年10月16日 工藤拓

これ以上最悪のタイミングはあるだろうか。

W杯予選の大一番をスタンドで見守らざるをえなかったベイル。ウェールズはエース不在が響いて敗退した。(C)REUTERS/AFLO

 世界各地でロシア・ワールドカップ出場国が続々と決まった10月の代表ウィークは、ガレス・ベイルにとって悪夢のような2週間となった。
 
 10月9日のヨーロッパ予選最終節。グループD2位のウェールズは、勝点1差の3位アイルランドをホームに迎えた直接対決を引き分け以上で終えれば、プレーオフ進出が決まるはずだった。
 
 しかし、結果は0−1。57分に自陣でのボールロストから与えた失点が命取りとなり、1958年大会以来となる同国史上2回目の本大会出場は夢と消えた。
 
 当のベイルは3日前のジョージア戦に続き、この大一番もふくらはぎの負傷により欠場。ベスト4進出の原動力となった昨年のEURO2016とは裏腹に、今回はただスタンドから仲間たちの戦いを見守ることしかできなかった。
 
 2013年夏にレアル・マドリーに加入して以降、ベイルの負傷離脱はこれで18度目。怪我でプレーできなかった試合数は、先週末のヘタフェ戦で67を数える。
 
 中でも最多の29試合を欠場した昨シーズンは、必死のリハビリも虚しく地元カーディフで行われたチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を万全の状態で迎えることができなかった。チームは連覇を成し遂げたものの、自身は大勢が決したゲーム終盤の途中出場にとどまった。
 
 復活を期した今シーズンもなかなか調子が上がらず、痺れを切らせたサンチャゴ・ベルナベウのスタンドから厳しい口笛を浴びせられる日も珍しくなくなった。並行して定位置を争うイスコやマルコ・アセンシオが目覚ましい活躍を見せていることもあり、不要論は高まるばかりだ。
 
 そんなベイルにようやく復調の兆しが見え始めたのは、9月半ばのことだ。リーガ・エスパニョーラ4節のレアル・ソシエダ戦ではハーフウェーライン付近から快速でマーカーを置き去りにし、開幕戦以来となるゴールを記録。CLのドルトムント戦では1ゴール・1アシストと活躍し、アウェーで貴重な勝点3を持ち帰る原動力となった。
 
 今回の怪我はそんな矢先に、しかもワールドカップ予選の大一番を直前に控えたのである。これ以上最悪のタイミングなどあるだろうか。
 

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