【現地発】まさに「最高の天国」! マンCが「極上の攻撃マシン」となり得た理由

2017年10月16日 山中忍

123年ぶりの快挙も達成したペップ体制2年目のマンC。

攻撃陣が絶好調のマンチェスター・C。ペップ体制2年目を迎え、その迫力は確実にスケールアップしている。 (C) Getty Images

 10月14日のストーク戦(プレミアリーグ第8節)で、7-2と大勝を収めたマンチェスター・シティ。翌日の国内各紙には、7得点勝利を伝える見出しの定番である"Seventh Heaven"の文字が躍っていた。
 
 アブラハムの宗教の7つの階層における「最高の天国」を意味する「Seventh Heaven」は、今シーズンのマンチェスター・Cに打って付けの言葉だ。ジョゼップ・グアルディオラ体制が2年目を迎えたチームは、観る者に大きな喜びを与える"極上"の攻撃マシンへとチューンアップされている。
 
 その性能は、前半30分足らずで3点差とした後、44分にストークが初めて仕掛けた攻撃らしい攻撃からの失点や、自軍ゴール前で頭数は4対2で勝っていたはずの場面で許した2失点さえ、続く4得点を引き立てるための演出と思えてしまうほどに強烈だった。
 
 ホームではプレミアリーグ3試合連続となる5点差の快勝劇。マンチェスター・Cの、開幕8戦で計29得点というゴールラッシュは、イングランドのトップリーグ史上123年ぶりの快挙。ちなみに前回これを達成したのは、1894-95シーズンのエバートンである。
 
 この試合の主役を1人挙げるとすれば、この日のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されたケビン・デ・ブルイネだろう。フェルナンジーニョを背後に置くセンターハーフの一角で、ダビド・シルバとのコンビも板に付いてきたチャンスメイカーは、ボール奪取への意欲も見せながら、秀逸の創造性を披露した。
 
「現役プレミアリーガーで最高」と兜を脱いだ敵将マーク・ヒューズをはじめ、デ・ブルイネの「ワールドクラス」評は、もはや当然のように定着している。

 先制点の2分後に決めたラヒーム・スターリングのゴールを呼び込んだノールックパスや、4点目(55分)と6点目(62分)で、それぞれガブリエウ・ジェズスとレロイ・ザネの足下へとピタリと届けたダイアゴナルパスが、その評価の正当性を物語る。
 
 しかしながら、当のデ・ブライネが「個人プレーじゃなく、チームプレーによる攻撃だからこそ素晴らしいんだ」と誇ったように、マンチェスター・C快進撃の要因は、集団として機能しているところにある。

次ページ“新装”されたSBが攻撃の鍵を。

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