【番記者通信】柔軟さに欠けたペレグリーニに責任の一端|マンチェスター・C

2014年04月23日 スチュアート・ブレナン

不測の事態を乗り越えてこその選手層。

主砲アグエロ(左)など故障者の続出は痛かったとはいえ、ペレグリーニ監督(右)のマネジメントにも疑問が残る。 (C) Getty Images

 マンチェスター・シティのスカッドは、プレミアリーグでベストだ。問題は、優勝するチームがつねにベストのスカッドを持ったチームだとは限らないことだ。

 残り4試合でシティの勝点は74。一方、消化試合がひとつ多い首位のリバプールは、残り3試合で勝点80。シティの自力優勝の可能性は潰えている。もっとも、24年ぶりの優勝に向かう重圧のなかで、残り3試合を2勝1分けで乗り切らなければならないのは、リバプールにとって決して簡単なミッションではない。相手の自滅を誘うためにも、残り4試合を全勝で終えることが必要不可欠。いずれにしても、マヌエル・ペレグリーニ監督は最後の腕の見せどころだ。

 プレミアリーグに専念できたのは、リバプールには間違いなくアドバンテージだった。欧州カップ戦には不出場で、FAカップもリーグカップも早期敗退した。選手層に不安を抱えるブレンダン・ロジャース監督には、これは大きな助けとなったはずだ。

 ルイス・スアレスをはじめ、主力が怪我なく過ごせた幸運にも恵まれた。スアレスは開幕から5試合の出場停止が明けた以降は全試合に出場。ゴールを量産した。

 翻ってシティは、主軸が怪我に悩まされた。セルヒオ・アグエロは20試合の出場にとどまり、ヴァンサン・コンパニとダビド・シルバはともに通算で1か月近く戦列を離れている。ステファン・ヨベティッチ、マティヤ・ナスタシッチは、シーズンの大半を棒に振った。

 もちろん、怪我は言い訳にならない。不測の事態を乗り越えてこその選手層であり、その意味ではスカッドのポテンシャルを最大限に活用できなかったペレグリーニに責任の一端はある。メンバーを固めるのは重要だが、もう少し柔軟に選手を起用してもよかったのではないか。

【記者】
Stuart BRENNAN|Manchester Evening News
スチュアート・ブレナン/マンチェスター・イブニング・ニュース
マンチェスターの地元紙『マンチェスター・イブニング・ニュース』のフットボール記者で、2009年から番記者としてシティに密着。それまではユナイテッドを担当し、両クラブの事情に精通する。

【翻訳】
松澤浩三
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