あれ? なぜ集合写真に12人? ブラジル代表イレブンが“元同胞”に粋な計らい

2017年10月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

かつての仲間たちに促されて…

満面の笑みを浮かべて集合写真に収まるモレーノ(9番)。W杯予選とはいえ消化試合だったため、実現したサプライズだ。(C)REUTERS/AFLO

 よ~く写真を眺めてみると、ひとつの間違いに気づかされる。木曜日のロシア・ワールドカップ南米予選、ボリビア対ブラジルの一戦。高地ラパスでの試合前、恒例のスタメン集合写真だ。
 
 カナリア色のキットが代名詞のブラジル代表の写真を見てみると、なんと写っているのは12名。さらに注意深く観察すれば、黄色ではないユニホームが2名いる。ひとりは紫色の正守護神、アリソン。そして緑色を着ているのは……対戦相手であるボリビア代表の選手ではないか!
 
 米スポーツ専門チャンネル『ESPN』によると、その人物の名はマルセロ・マルティンス・モレーノ。ボリビアが誇るゴールゲッターだが、実は、U-20代表までは父親の国籍であるブラジルを選択していたのだ。その後A代表はボリビアを選び、すでに63キャップをマーク。これまでに15得点を挙げている。現在30歳だ。
 
 それゆえ、セレソン(ブラジル代表の呼称)の選手たちとは旧知の間柄の者が多い。誰彼となくモレーノを呼びつけ、手招きをし、和気あいあいとした雰囲気で集合写真に迎えたという(その後ダッシュしてボリビアの集合写真にも収まった)。ブラジルはすでにワールドカップ出場を決めており、ボリビアは敗退が確定。殺伐とした空気がなかったのも一助となった。
 
 モレーノはブラジル国内のヴィトーリア、クルゼイロで活躍したのち、欧州へ。シャフタール、ブレーメン、ウィガンなどを渡り歩き、2012年にブラジルへ帰還。現在は中国リーグ2部の武漢卓爾に籍を置く。プロキャリアの中で一度も、ボリビアのクラブではプレーしていない。
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