「ストライカー」に覚醒した武藤嘉紀は、大迫勇也を凌駕する「武器」で結果を残せるか?

2017年10月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

高い集中力を保ち、好機を確実にモノにする。

10月2日に日本代表に合流した武藤。この2連戦で結果を残せるか。(C)Getty Images

 日本代表の海外組のなかで今もっとも旬なストライカー。そう言っていいだろう。入団3年目のマインツで公式戦8試合・5得点と好調を維持しているのが、武藤嘉紀だ。
 
 定位置争いのライバルだったジョン・コルドバがケルンに移籍した今シーズンは、CFのレギュラーに完全に定着。ブンデスリーガではコンディションを崩した4節のバイエルン戦を除けば、6試合に先発出場している。
 
 特筆すべきは決定力の高さ。シーズン3点目を挙げた7節のヴォルフブルク戦後にサンドロ・シュバルツ監督が「彼は多くのチャンスを必要としない」と称えたとおり、好機を確実にモノにし、周囲の信頼をがっちり掴んだ。『ビルト』紙も「マインツに不可欠な存在」と評している。
 
 堅守速攻を志向するマインツでは前線の選手が孤立する試合が少なくない。1試合平均のクロス本数がわずか2本(18チーム中16位)という事実が物語るとおり、チャンスメークに課題を残してもいる。
 
 そうしたなかでも武藤は高い集中力を保ち、好機を確実にモノにしている。昨シーズンまでと比べるとサイドに流れたり、ボールを受けに下がるシーンも減り、ゴール前でチャンスを待ち続ける"辛抱強さ"も身に付けた印象だ。
 
 ここまでブンデスリーガのプレーぶりを見る限り、日本代表でCFの定位置を争う大迫勇也よりも決定力では一枚上手。ケルンで精彩を欠く大迫は決定機でのシュートミスが少なくなく、現地メディアからもしばしば批判を浴びている。
 
 ストライカーとして進化を遂げた武藤は、この10月シリーズでゴールという結果を残せるのか。まずは10月6日のニュージーランド戦のパフォーマンスに注目したい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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