【FC東京】髙萩洋次郎のような頭脳の持ち主がハリルジャパンにも必要なのではないか

2017年09月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

見た目以上に難しい仕事をさらりとやってのける凄さがある。

ボランチとして及第点以上のプレーを見せた髙萩。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ28節]FC東京 0-0 磐田/9月30日/味スタ
 
 磐田とのホームゲームはスコアレスドロー。良く言えば、守備が崩れなかった、悪く言えば、効果的な攻撃を仕掛けられなかった試合になる。そのあたりは、髙萩洋次郎のコメントからも分かるだろう。
 
「失点しなかったことは良かったですけど、得点できなかったので……。ポゼッションもできていましたが、最後のところの質は課題として残りました」
 
 この日、東慶悟と2ボランチを組んだ髙萩は「慶悟はボールを触るのが好きなので、自由にやらせた」という。それが奏功してか、東も「楽しかった」とコメントしていた。周りの状況を把握しつつ、味方に気持ちよくプレーさせるというのは見た目以上に難しい作業だ。それをさらりとやってのけてしまうのは髙萩の凄さだろう。
 
 冷静に、そして的確に状況を判断できるからこそ、髙萩はFC東京が改善すべき点も分かっている。「相手の裏になかなかボールが出なかった印象もあるが?」という質問に対しても、しっかりと次のように回答していた。
 
「ポゼッションの意識は高まっている。でも、ここからいきなりもう一段階上げるというのはなかなか。なので、ポゼッションの意識を保ちながら背後を狙える意識をこれから持てばいい。今日の試合が基本的な形だと思うので、そこから質を上げたい」
 
 すべてがダメというのではなくて、収穫も把握したうえで課題を語る。髙萩はフィジカルやテクニックに加え、確かな"頭脳"を持っているMFなのだろう。
 
 不思議なのはそんな髙萩が10月シリーズの代表戦に呼ばれなかったことだ。アジア最終予選のラスト2試合に招集されながら出番がなく、ニュージーランドとハイチとの親善試合で久しぶりの"日本代表・髙萩"が見れると信じていたFC東京のファン・サポーターも落胆していることだろう。
 
 日本が世界の強豪と戦うワールドカップでいろいろと知恵を振り絞って戦い抜くためには、髙萩のように冷静な頭脳の持ち主が必要なのではないだろうか。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

【FC東京0-0磐田 PHOTO】互いの堅い守備を崩せずスコアレスドローで痛み分け。
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