【日本代表/10月シリーズの焦点】「強国」ではないニュージーランド、ハイチと戦う意義は?

2017年09月26日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

世界的には「弱小」の日本が 本大会を見据えて戦うべきは?

ハリルホジッチ監督には大胆な選手起用を期待したい。写真:サッカーダイジェスト

 いよいよ、ロシア・ワールドカップへの本格的な準備がここから始まる。といっても、10月シリーズで戦う相手はニュージーランドとハイチ。この両国はお世辞にも世界の強豪と言えず、来年6月の本大会でまずグループリーグ突破を目指す日本のスパーリングパートナーとしてはやや不十分だろう。
 
 なにも、ニュージーランドやハイチを舐めているわけではない。前者にはクリス・ウッド(バーンリー)という強力なストライカーがいるし、後者は今回のワールドカップ予選(北中米&カリブ海地区の3次予選)で曲者コスタリカなどと僅差の勝負を演じている。
 
 しかし、そんな彼らも決して「強国」ではない。世界的には「弱小」の部類に入る日本がロシア・ワールドカップを見据えて戦うべきは明らかな格上、いわゆるサッカー大国だ。劣勢を強いられるシチュエーションでどう守り、どうチャンスを作り、どうゴールを奪うか──。弱者が強者を食う戦い方を身に付けることこそ重要なのではないのか。
 
 アルベルト・ザッケローニ監督の下で「自分たちのサッカー」(ポゼッション重視の攻撃的なスタイル)に執着した結果、1勝もできずにブラジルの地を去った14年のワールドカップと同じ轍を踏まないためにも、日本に求められるのは、したたかに勝点3をかっさらうというスタンスだろう。
 
 その点で、10月シリーズの連戦をワールドカップの予行演習とは捉えにくい。ホームで、日本と同格以下のニュージーランドやハイチとの親善試合で、一方的に押し込まれる展開は考えにくいからだ。仮に現時点でのベストメンバーで臨んだ日本がこの連戦にいずれも大勝したとして、どんな意味があるのか。
 
 そもそも、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は相手ありきで戦略を練るタイプの指揮官である。だとするなら、本格的なチーム作りに着手するのは12月1日の組分け抽選会で日本の対戦国が決まってからと、そんな見方もできるはずだ。

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