神村学園エース、高橋大悟のエスパルス入団が決定! 練習参加で衝撃を受けたのは…

2017年09月25日 安藤隆人

屋久島出身で初のJ1リーガーに。

6月にはU-18日本代表に初選出され、ポルトガル遠征に参加した高橋。いくつかの選択肢の中から、清水を進路先に選んだ。写真:安藤隆

 鹿児島の屋久島に、初のJ1リーガーが誕生する。
 
 清水エスパルスは9月25日、神村学園のMF高橋大悟が来春に入団すると発表。これまで屋久島出身のJリーガーと言えば、昨年J3の鹿児島ユナイテッドFCに入団した塚田翔悟(国見、九州共立大卒)がおり、高橋はふたり目となる。
 
「いつかはハイレベルなJ1でやってみたい。小さい時から観ていた憧れの舞台で、すごい選手や一流の選手が集まる場所。もしそこに自分が入れたらと思うと、とてもワクワクします。自分次第なのですが、チャンスを掴みたい」
 
 高橋の元には複数のJクラブからの打診があったが、こう話していた春先はまだ現実味が乏しかった。そんな彼を最初にプロの練習に誘ったのが清水だ。山崎光太郎スカウトは以前から、高橋の卓越した左足の技術とインパクトの強いキックに注目し、その動向を追いかけていた。
 
 とはいえ、選手本人がそんな想いを知る由もなく、今年3月に清水の鹿児島キャンプへの参加を提案された時は、「正直、嘘でしょ? と思った」。
 
「それまでは『大学どうしようかな』と思っていたので……。もちろんプロになりたいという強い気持ちはあったけど、全国大会にも出ていない自分が呼ばれる訳がないと思っていました」
 
 今年のインターハイまで、彼は高校生活で1度も全国大会に出た経験がなかった。無名の存在であることを自覚していたのだ。そこに届いた清水からの練習参加のオファー。戸惑いを抱えながら行ってみると、刺激的な体験が待っていた。
 
「いままでできていたことができなかったり、自分の中で『これだけは負けない』と思っていたことを、もっとすごいレベルでこなす選手がいたりで……。本当に衝撃的でした。一番衝撃だったのは、金子翔太選手。身長は僕と変わらないし、体格も似ているけど、スピード感がまるで違うし、スペースに潜り込むのが巧い。それでいて守備もいっさい手を抜かなくて、走り切って、寄せ切る。自分の活きる術を理解しているように感じたんです。自分の特徴をしっかりと理解していて、最大限に活かそうとする姿勢は、本当に衝撃的だった」
 

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