ユベントスに所属するパウロ・ディバラの勢いが止まらない。驚異的なペースでゴールを量産しているアルゼンチン代表FWは、同僚ゴンサロ・イグアインが２シーズン前に塗り替えたセリエA記録を再び更新できるだろうか。
 
　今夏からユーベ伝統の背番号10を継承したディバラは、クラブ通算100試合出場となった現地時間９月17日のサッスオーロ戦で、16分に先制点を奪取。通算50ゴールの大台を突破すると、後半にも２得点を決めて、今シーズン二度目のハットトリックを達成した。
 
　開幕４連勝と好調ユーベを牽引するディバラは、４試合で早くも８得点。イタリア『スカイ・スポーツ』によると、平均で37分間に１ゴールというハイペースでネットを揺らしている。このペースを維持することができれば、今シーズンは76ゴールを記録する計算だ。
 
　もちろん、この数字は現実的と言えない。それでも、年間最多得点記録の更新を期待するには十分だろう。現在の記録は、ディバラのチームメートであるイグアインが、ナポリ時代の2015-16シーズンに記録した36得点。終盤に３試合の出場停止処分を科されたイグアインは、82分に１ゴールのペースで66年ぶりに新記録を更新した。
 
　スカイ・スポーツによれば、ディバラは残り34試合で86分ごとにゴールを挙げれば、イグアインを超える37得点に達する。もちろん、１試合に１ゴールというペースも簡単に実現できるものではない。だが、同メディアのアンケートでは、ユーザーの54％が「ディバラは記録を更新できる」と予想している。
 
　また、記録更新が期待されるのは、年間最多ハットトリックも同様だ。セリエAの記録は1960-61シーズンにローマのペドロ・マンフレディーニがマークした４回。ディバラはここまですでに２回のトリプレッタ（３得点）をマークし、ユーベのレジェンドであるダビド・トレゼゲのクラブ記録に並んでいる。
 
　ディバラには以前から、プレースタイルや背格好が似ているリオネル・メッシとの比較論がある。しかし、サッスオーロ戦後には、「僕はディバラだ。メッシは真のレジェンドで、新たな歴史を築き上げてきた選手なのだ。誰とも比較されたくない。僕は自分のキャリアを歩み、トロフィーを獲得したい」と改めて語っている。
 
　しかし、セリエA開幕から圧巻のパフォーマンスを続けている「宝石」の評価は天井知らず。大きな期待が寄せられているディバラは、新たな歴史を作ることができるだろうか。