【セルジオ越後】ACLの逆転劇に驚きはない。川崎には「勝つ文化」が根付いていないんだ

2017年09月15日 サッカーダイジェスト編集部

浦和はホームで生き生きとプレーしていた。

日本勢対決となったACLの準々決勝では浦和が勝利。ベスト4進出を決めた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 ACL準々決勝での川崎と浦和の日本勢対決は、浦和に軍配が上がった。第1戦では川崎が3-1と先勝していたが、第2戦は浦和が4-1と逆転。ベスト4進出を果たした。
 
 第2戦では、川崎は前半のうちにDFの車屋が退場する苦しい展開を強いられた。守備のバランスを整えるために中村を下げて、最終ラインに人を補充したけど、対応は後手を踏み続けたね。結果論ではあるが、精神的支柱の中村を欠いたからこそ、意思疎通を上手く取れなかったと思う。
 
 本来は守備を固めて逃げ切るべきだったけど、狙いが中途半端だった。1点を取りに行くのか、リードを守るのか、もっと明確にすべきだった。
 
 逆に3点差以上での勝利が必要だった浦和は開き直って攻めていた。浦和としては第2戦をホームで戦えたのも大きかったね。ビハインドを負いながら、ホームの大声援を受けて生き生きとプレーしていたよ。
 
 もっとも結果に関して驚きはない。アウェーでの第1戦を落としたチームが、ホームでの第2戦で逆転するケースは珍しくないからね。ただ、浦和は川崎戦で見せたようなパフォーマンスをなぜリーグ戦で発揮できないのか不思議に感じたよ。リーグ8位と低迷しているだけに、ここから這い上がってもらいたい。
 
 興梠、柏木、R・シルバらタレントはいるんだ。彼らの能力を生かせばもっと上の順位にいけるはずだ。監督が代わったばかりで安定しなかったけど、今回の勝利で自信を手にできたはずだよ。
 
 準決勝で対戦するのはフッキ、オスカールを擁する上海上港だが、今大会のグループステージで戦った際には1勝1敗のイーブンだった。日本の代表チームとして意地を見せてもらいたいよ。

次ページ面白いサッカーをするだけじゃ…。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事