【移籍市場超速報】シャヒンが古巣ドルトムントに完全移籍へ

2014年04月11日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

育成強化の成果。ラツィオがプリマベーラのタイトルを獲得。

かつて香川真司とともにドルトムントのリーガ連覇に貢献したシャヒン。古巣への完全移籍が決まった。 (C) Getty Images

【ドルトムント】シャヒンの買い戻しが確定

 ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOは、レアル・マドリーからレンタル中のヌリ・シャヒンを今シーズン終了後、700万ユーロ(約9億8000万円)で買い戻すことを公に認めた。シャヒンは2011年に1000万ユーロ(約15億4000万円)でマドリーに売却されたが、怪我などで本来の力を発揮できず、昨シーズンはリバプール、今シーズンは古巣ドルトムントにレンタルされていた。4年ぶりにかつての所属クラブと再契約を交わすことになる。

【ラツィオ】コッパ・イタリア・プリマベーラで優勝

 シモーネ・インザーギ監督率いるラツィオのプリマベーラ(U-19)が、同カテゴリーのコッパ・イタリアでフィオレンティーナを下して優勝した。この年代にとってもうひとつの重要なトーナメントである2月のヴィアレッジョ・カップでは、シモーネの兄フィリッポ・インザーギが率いるミラン・プリマベーラが優勝しており、インザーギ兄弟がU-19年代のカップタイトルを分け合った格好だ。

 ラツィオは近年とくに育成に力を入れており、プリマベーラは昨シーズンのスクデットを勝ち取っている。クラウディオ・ロティート会長は来シーズンの補強戦略を尋ねられて、
「プリマベーラからトップチームに5人引き上げる予定だ」
 と語ったほど。

 この年代ではすでにFWバルデ・ディアオ・ケイタ(19歳)、ジョセフ・ミナーラ(17歳)がトップチームにデビューし、さらにGKリッカルド・セルピエーリ(19歳)、MFルカ・クレッコ(18歳)、FWママドゥ・トゥンカラ(18歳)、FWクリスティアーノ・ロンバルディ(18歳)が来シーズンはトップチームに名を連ねることになるだろう。

【フィオレンティーナ】ババカールにトリノ、ウディネーゼが興味

 フィオレンティーナからセリエBのモデナにレンタルされている93年生まれのFWコウマ・ババカールが、移籍マーケットの注目を集めている。今シーズンは31試合で16得点とセリエBで違いを作り出しており、21歳という年齢を考えてもそろそろセリエAにステップアップすべきタイミング。すでにトリノ、ウディネーゼが注目しており、もしフィオレンティーナが呼び戻すという決断を下さなければ、来シーズンはセリエAのクラブにレンタルされることになりそうだ。

 そのフィオレンティーナで来シーズンからプレーすることになりそうなのが、ステアウア・ブカレストでプレーする28歳のルーマニア代表GK、チプリアン・タタルサヌだ。フィオレンティーナは早い時期から獲得に動いて事実上の合意に達しており、その後ローマ、ナポリも獲得に動いたものの、割って入ることはできなかったようだ。

【翻訳:片野道郎】
【翻訳者からのごあいさつ】
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。

 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。

 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。

 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。

 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。

 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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