ヴィッセル入団内定の怪物、郷家友太に影響を与えた「ふたりの10番」

2017年09月04日 松尾祐希

青森山田の10番が3年連続でJリーガーに。

今年の高校サッカー界目玉選手のひとり、郷家は神戸を新天地に定めた。Jの舞台でも怪物ぶりを発揮するか。写真:松尾祐希

 高校ナンバーワンMFの呼び声が高いU-18日本代表MF、郷家友太。去る8月25日、来春のヴィッセル神戸入りが発表され、2年前の神谷優太(→湘南ベルマーレ)、昨年の高橋壱晟(→ジェフ千葉)に続き、青森山田の10番が3年連続でJリーガーとなる。
 
 郷家の武器は、なんと言ってもプレーの多様性にある。184センチの恵まれた体躯を活かしたダイナミックな動きと、空中戦の強さ。このタイプにありがちなスキルの不足感はなく、図抜けた得点能力と足下の技術を兼備する。
 
 また、チームでは2シャドーの一角を担うことが多いが、中盤の底からサイド、さらには最前線まで対応できる。まさにスーパーマルチと呼ぶに相応しい。8月のインターハイは前橋育英に敗れ、3回戦で姿を消したが、強烈な存在感を示した。とりわけ大会最注目の大一番となった2回戦の東福岡戦では、持てる能力を最大限に披露。中盤でバランスを取りつつ、好機と見ればすかさず前に出て決定的な仕事をこなした。最終盤には勝負を決める3点目を奪い、攻守両面で眩いばかりの輝きを放った。
 
 プロ入り表明後、初の公式戦となったのが、9月3日のプレミアリーグEAST、市立船橋戦。惜しくも1−2で逆転負けを喫したが、そつなく広範囲をカバーし、ゴール前にも積極的に顔を出す十八番のプレーで違いを見せた。
 
 現在のプレースタイルを確立できたのは、ふたりの先輩の存在が大きいという。先述の神谷と高橋だ。
 
「壱晟さんはずっと間近に接していた存在。プロになるまでの過程を見て来たし、ふたつ上の神谷さんも同じ部屋になることが多くて、ずっと影響を受けてきた。2年連続でプロになった10番の背中を見てきたので、自分がチームでないをすべきなのかを、ふたりに教えてもらったと思う。なかでも壱晟さんからは中盤の役割を学んだ。3年生になって僕は後ろ気味にプレーをすることが多くなったのですが、そういう時のポジショニングとかは、壱晟さんから教えてもらったもの。神谷さんは良い意味で我が強い選手で、自分で決めるという気持ちがあった。壱晟さんとはまた違う刺激を受けました」
 

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