【ブンデス日本人の現地評】長谷部以外は厳しい評価…独デビューの鎌田は「力不足」と専門誌

2017年08月22日 山口裕平

1部デビューの浅野には物足りなさも…

後半は鋭いターンとスピードで良いプレーも見せた浅野だが、好機を逃したことで大きな悔いを残すことに……。 (C) Getty Images

 55シーズン目のブンデスリーガが、ついに開幕した。
 
 今シーズンは1部で10人、2部では3人の日本人選手がプレーする。ロシアW杯への切符を掛けた代表戦も近づき、それぞれの選手の状態も気になるところで、日本人全選手の現地評をチェックしていきたい。


 ヘルタ・ベルリン対シュツットガルトの試合では、いきなり日本人対決が実現した。
 
 シュツットガルトの浅野拓磨は4-4-2の右MFとして先発フル出場してブンデス1部デビューを飾り、一方のヘルタの原口元気は76分から途中出場を果たした。浅野は74分にポスト直撃弾を放ったが、チームは0-2で敗れて黒星発進となった。
 
 浅野に対し、専門誌『キッカー』は3.5点と及第点を付けたものの、全国紙『ビルト』は5点と厳しい評価を下している。
 
 地元紙『シュツットガルター・ツァイトゥング』は4点を付け、「彼のベストアクションは74分のポスト直撃だった。45分にはエリア内で倒れたが、PKを告げる笛はならなかった」と惜しいシーンについて触れながら、全体的なプレーについては以下の通り、物足りなかったという見解を示した。
 
「日本でジャガーと呼ばれる日本人は、右サイドで手掛かりを掴むことができなかった。そのスピードにもかかわらず、ほとんど相手を抜き去ることができなかった。軽率にボールを失うシーンも目立った」
 
 対して原口は、出場時間が短かったため、採点が付かず。なお、ヘルタの2ゴールは、原口とポジションを争うマシュー・レッキーによるものだった。
 
 ハンブルク対アウクスブルク(0-0)も日本人選手所属クラブ同士の対戦となったが、こちらは日本人対決の実現はならなかった。
 
 ハンブルクのキャプテンを務める酒井高徳は、ベンチ入りしたものの、出場はなかった。
 
 地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』は「彼は本調子ではない。2人で話し合った」とのマルクス・ギスドル監督のコメントを掲載し、「少し不満もあるが、模範的にチームをサポートしている」ことをギスドル監督が強調したと記した。
 
 なお同紙は、ギスドル監督が「彼が昨シーズンのようなフォームを早く取り戻すことを望んでいる」と語ったことも報じている。
 
 一方、アウクスブルクの宇佐美は、先週のDFBカップ1回戦に続き、メンバー外となった。
 
 続いて、マインツの武藤嘉紀は、1トップとしてハノーファー戦に先発フル出場。5本のシュートを放ったが、3つのビッグチャンスを迎えるも決め切れず、チームはハノーファーに0-1で敗れた。
 
『キッカー』は3.5点と及第点。『ビルト』は4点と最低点ではなかったものの、「武藤が勝利のチャンスをフイにする」という見出しで記事を掲載し、「マインツに勝利をもたらせたはずだった。前半だけで3つのチャンスがあったが、いずれも誤った決断をした。後半は何もなかった」と戦犯扱いした。
 
 一方、地元紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』は3点を付け、「よくボールを追い、多くのチャンスに絡んだが、ひとつもモノにすることはできなかった。相手選手から激しいマークを受けていた」とゴールがなかったことを指摘する一方で、チャンスに絡んだことは評価した。

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