次節は3位名古屋戦! 2位福岡が抱える不安を解決するのはJ1横浜から加入のドリブラーだ

2017年08月17日 松尾祐希

今節の長崎戦では、相手のシュートを2本に封じながらオウンゴールに沈む。

福岡を率いる井原監督。長崎戦では4試合ぶりの黒星を喫し、攻撃面での課題を認めた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 シュート数は福岡の10本に対して、長崎はわずか2本だった。しかし、この数字に反して凱歌を上げたのは、2本のうちの1本でゴールネットを揺らしたアウェーチームだった。

 
 2位・福岡と5位・長崎が対峙したJ2・28節、注目の上位決戦。順位を物語るかのように、試合の主導権は福岡が握った。岩下敬輔と冨安健洋のCBコンビを軸に相手の攻撃を弾き、攻めては最前線に入るウェリントンのパワーと高さを生かしてゴールに襲いかかる。シンプルなパターンではあるが、今季の福岡が勝点を積み上げて来た形で流れを引き寄せた。しかし、誤算だったのは前半終了間際の失点だ。
 
 45分。島田穣のCKに対応したウェリントンと駒野友一のポジションが重なると、ボールを搔き出せずにまさかのオウンゴール。先手を取られた福岡は後半に入ると、前半以上の圧力で敵陣に攻め込んだ。
 
 しかし、相手を押し込んでいたなかで起こった不運な失点は、最後まで福岡に重くのしかかる。次第に焦りが生まれ、中盤の組み立てのミスからボールを失う場面が多発。これを嫌ってなのか、前半以上にロングボールを前へ入れて、強引にこじ開けようとするも淡白な攻撃で相手に脅威を与えられない。終盤になると、相手は6バックでさらに強固なブロックを構えてきた。
 
 結局、福岡のストロングポイントであるパワーを生かしたアタックは最後まで不発。1点差を追いつけず、痛恨の敗戦を喫することとなった。
 
 シュート数やポゼッションで相手を大きく上回っても、決定打が生まれず、逆に相手にワンチャンスを決められて敗れるという展開は、サッカーというスポーツでは往々にして起こり得る事象だ。ただ福岡の場合、こうした展開がやや多いかもしれない。今季の敗戦のほとんどがこのパターンによるものだからだ。5月以降に喫した敗戦6試合のうち、5試合は先にリードを奪われ、相手にそのまま逃げ切りを許している。
 
 その要因は先制点を許すと、攻めが単調になってしまうからに他ならない。とりわけ、ビハインドを背負うとウェリントンのパワーに頼りがちな部分があり、攻めが単調になっている。この試合でも失点を喫すると、攻撃が空中戦に偏る傾向が散見。その点に関しては井原正巳監督も「最後はロングボール中心になりましたが、あれだけ引かれるとサイドからのボールが多くなってしまう」と話し、「先制点を許してしまうと我々の攻撃が行き詰まってしまう」「引かれた相手に対しての崩しは今後の課題」と改善が急務であることを認めた。

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