【独占】杉本健勇が大いに語る「辿り着いたストライカーとしての新境地」

2017年08月12日 本田健介(サッカーダイジェスト)

浮かれることなく地に足を着けて戦いたい。

杉本は『サッカーダイジェスト』誌のインタビューで、ここまでの手応えなどを語ってくれた。写真:川本 学

 今季CFとして、C大阪の躍進を支える杉本健勇は、J1での自己最多、そしてチームトップの13ゴールを挙げている。さらに7月のJ1月間MVPも受賞。その活躍ぶりに日本代表へ推す声も高まっている。『サッカーダイジェスト』7月27日号(同13日発売)では、この大型ストライカーの独占インタビューを掲載。ゴールへの想い、理想のFW像などについて語った内容の一部をお届けしよう。
 
――◆――◆――
 
――チームは17節のFC東京戦後に今季初の首位に立つなど、3年ぶりのJ1で躍進しています。
 
「クラブとしてJ1で首位に立つのは12年ぶりですし(編集部・注/2005年11月以来)、嬉しいです。ただ、この時点での順位はあまり気にしていません。大切なのは、この調子をどこまで維持できるか。長いシーズン、ずっと勝ち続けるのは難しいですし、気を抜けば順位はすぐに落ちます。追われる立場に慣れていない選手も多いですし、一戦一戦、浮かれることなく地に足を着けて戦いたいです」
 
――杉本選手は開幕前から「優勝したい」と口にしていました。その目標に少しずつ近づいています。
 
「セレッソがここまで勝つと予想した人は少なかったはずです。でも、僕は優勝したいとシーズン前から言い続けてきましたし、その気持ちは今も変わりません。目標に一歩一歩近づけているので、想いはさらに強くなっています」
 
――好調の要因はなんでしょう?
 
「個々が与えられた役割を果たし、まとまって戦えているからじゃないでしょうか」
 
――確かにユース出身選手が多いC大阪には、一体感があります。
 
「ただ仲が良いだけではなく、ピッチに立てばお互いに厳しく要求し合えてもいます。妥協をせずに上を目指しているからこそ、良い空気が生まれているんでしょう」
 
――昨年10月にインタビューをした際には、「仲が良いからとか、先輩だからとかで、なあなあにしてしまう部分がある」とチームの課題を挙げていました。今季はそういう緩い空気がなくなりましたか?
 
「開幕前に新しい選手が何人か入って来て、(水沼)宏太くんなんかは特に自分の考えをハッキリ口に出してくれるので、みんな刺激を受けています。負けている時などは励まし合う声がよく出るようになりました。それにキャプテンの(柿谷)曜一朗くんが背中でチームを引っ張ってくれるのも大きいです。自分ももっとFWとして責任感を持たなくてはいけません」
 
――柿谷選手の存在の大きさは常々、語っていますね。彼が昨季、夏前に怪我で戦列を離れてからは(右足首の手術で約5か月の離脱)、杉本選手がチームの中心となり、J1復帰を果たしました。
 
「曜一朗くんが大きな怪我をしたことが、自分にとってターニングポイントになりました。J1復帰が至上命題のなか、大黒柱がいなくなって『俺がやらなあかん』と自覚できた。怪我をした曜一朗くんには申し訳ないですが、成長するキッカケになりました」
 
――昨季は川崎から1年でC大阪に復帰し、周囲の雑音もあったと思います。何よりも結果を残したいとの想いは強かったのでは?
 
「セレッソをJ1に戻さなくちゃ、復帰した意味がないですからね。だからこそプレッシャーはありましたよ。気持ちで戦おう、俺が誰よりも結果を残してチームを勝たせようと、必死でした」

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