【川崎】ブレ球ミドル、同点弾演出…出場18分で森谷賢太郎が示した右足のインパクト

2017年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

中村に代わって立ったピッチで結果を残す。

谷口の同点弾をアシストした森谷。78分には惜しいミドルシュートでスタンドを沸かせた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ20節]川崎 1-1 FC東京|8月5日/等々力
 
 FC東京の中央を締める守備に対して苦戦を強いられた訳ではないが、川崎はポゼッションで上回りチャンスを作るなかでも仕留めることができなかった。特に前半はエウシーニョや小林が構える右サイドから敵陣へ侵入し、前半終了間際の45分には小林のお膳立てから阿部がシュートを放つもポストに当たり無情にも枠外へ。最大の決定機を逃してしまった。
【川崎1-1FC東京 PHOTO】終了間際の同点弾で30回目の多摩川クラシコは引き分けに終わる
 
 その後、後半は車屋が躍動して左サイドからゴールに迫るも、FC東京の守護神・林の壁をあと一歩のところで越えられない。そんななか、72分に投入されたのが森谷賢太郎だった。
 
 交代ボードに表示された番号は「14」。
 
 中村憲剛との交代であったのだが、ややメインスタンドの客席がざわめいていた。確かに今季は中村が途中でピッチを退く場面は多くなってきたが、この拮抗した展開でチームの中核である彼を下げるということが、観衆にとっては驚きだったのであろう。
 
 だが、代わりに入った森谷はしっかりと仕事を果たした。89分、左CKで絶妙なボールを配給し、谷口の同点弾をアシストしたのである。攻め込むものの、相手のブロックをこじ開けられない嫌な空気感を、このゴールで一変させた。
 
「うちはヘディングが強い選手が多いので、その線上に蹴って誰かが合わせてくれるようなボールを蹴った」淡々と振り返る。
 
 出場機会になかなか恵まれないなか、多摩川クラシコという注目度の高い一戦で、しかもチームの象徴である中村に代わって立ったピッチで、数字に残る結果を残した。それは彼にとっても喜ばしいものだっただろう。ただ、本人は不満が残るシーンがひとつあったと言う。
 
 78分、ゴール前中央でボールを受けて不規則に揺れるミドルシュートを放ったのだが、惜しくも枠を外れた。ノーゴールとなったものの可能性を感じるプレーであったため、場内の空気も同点に向けて一気に高まったのは事実だ。だが、森谷本人としてここは"決めなければいけなかった"シーンだったと言う。
 

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