【総体】市船のエースは俺だ! 2戦連発の福元友哉が示す「プロへの想いと不退転の決意」

2017年07月31日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

高校入学後はCB→ボランチ→FWと変遷。

豪快な一撃のみならず、点で合わせる技巧にも磨きがかかってきた福元。まだまだ進化を続ける、末恐ろしい18歳だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 プレミアリーグWEST所属の難敵を向こうに回し、薄氷を踏みながらもなんとか勝ちを拾った。
 
 7月31日のインターハイ3回戦。前回覇者の市立船橋は、阪南大高を2-1で下してベスト8に進出。朝岡隆三監督は「突き放すパワーとメンタリティーが足りなくて、受けに回ってしまいましたね。厳しい試合でした」と振り返った。

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 そしてエースFWの出来について問いかけると、少し不満そうな表情でこう続けた。
 
「そろそろ雷を落とさないといけないかな。今日なんてほとんど競り合いに勝ててなかった。彼なら、もっとやれる。僕はそう思っているのでね」
 
 熱血漢の視線の先にいたのは、ナンバー11を背負うストライカー、福元友哉だ。
 
 大会初戦となった2回戦・東海大星翔戦で先制ヘッドを決め、この阪南大高戦でも後半6分、相手DFから強引にボールを奪って猛進し、左サイドの角度のないところからゴールネットを揺すった。市立船橋はリードを2点に広げ、その後PKで1点を返されるも、2-1で勝ち切ったのだ。2戦連発、しかも勝利を手繰り寄せる貴重な2ゴール。ひとまずは、エースの面目躍如といったところだろう。
 
 だが、指揮官のみならず、福元自身もまるで満足はしていない。
 
「点が取れたのは良かったんですけど、得意の競り合いでぜんぜん勝ててなかったし、守備での貢献も低かった。自分としてはオフサイドラインから戻って動き直すのが得意なんですが、そこも何度かオフサイドにかかってしまって、攻撃のリズムを止めてしまった。反省点が多いですね。監督からも、つねに今以上のものを求められてます」
 
 最終学年を迎えた182センチのストライカー。じつは、FWとしてのキャリアはまだ1年弱と浅い。
 
 横浜F・マリノスジュニアユース出身で、中学時代はサイドハーフが本職。市船に来てからサイズとパワーを買われてCBにコンバートされたが、「ゴール前の守備がぜんぜんできなくて」、今度はボランチが主戦場に。そして高2の秋、公式戦でFWとして試されて結果を残してからは、最前線が根城となった。「最初はできるかなという気持ちもありましたけど、得点に絡むプレーがやはり好きだったんで、すごく嬉しかった」と回顧する。
 
 

次ページJ1広島の練習に参加し、シュートへの意識に変化が。

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