来年1月の本大会進出も…東京五輪世代が喫したアジア初黒星の背景にあった誤算とは?

2017年07月26日 川端暁彦

U-23アジア選手権予選は中国に敗れ、2位でギリギリ通過。

U-20W杯では主力として戦った三好。大会後はややチームで苦しんでいる印象だが、リーグ後半戦に向けて巻き返しを期待したい。写真:佐藤博之

 7月19日から23日にかけて、カンボジアの首都プノンペンでU-23アジア選手権予選J組の試合が開催された。中1日での3連戦に臨んだのは、東京五輪世代のU-20日本代表。2歳年長の選手たちを向こうに回しての戦いとなる中で残した戦績は2勝1敗。グループ1位の座は、この世代としてはアジアの公式大会で初黒星を喫することとなった中国に奪われ、各組2位の10チーム中5位(6位までが突破)に滑り込む形でなんとか予選を通過した。結果は、決して褒められたものではない。試合内容自体も悪かった。
 
 もとよりU-23アジア選手権の開催国でもある中国は、この年代の強化に注力している。DFコ・ジュンイ、FWデン・ハンウェン、ワン・ジンビンといったA代表キャップを持つ選手も参戦し、そのA代表を率いるマルチェロ・リッピ監督も視察に訪れる力の入れようだった(ちなみにコ・ジュンイとワン・ジンビンはどちらも元Jリーガーだ)。
 
 日本でいえば、この世代のA代表経験者、つまり南野拓実や井手口陽介が参戦してきているようなものである。MF原輝綺が「相手はすごく力のあるチームだった」と語ったのも、うなずけるところではある。
 
 対する日本は東京五輪を見据えて年下のチームでの参戦。加えて、J2リーグが開催期間中ということでU-20ワールドカップメンバーからFW岩崎悠人(京都)、DF冨安健洋(福岡)、杉岡大暉(湘南)といった選手を欠き、さらにMF堂安律(フローニンゲン)はオランダ移籍直後のために不参加。エース格のFW小川航基(磐田)は依然としてU-20ワールドカップでの負傷が癒えず、久保建英(FC東京U-18)も過密日程が続いたことを考慮して招集外になっていた。特に攻撃陣がやや駒不足ではないかという懸念の中での大会入りだった。
 
 大会前から内山篤監督は中国をグループ内最大の強敵と見なし、この第3戦に照準を合わせる形で選手起用をマネジメント。フィリピンとの第1戦にあえて代表経験のない選手を多数先発させて主力選手の起用を散らしながら、中1日の3連戦での3戦目に備えることとなった。

次ページ“アジア”に対して謙虚になれたことが、本大会でポジティブに作用するか。

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