【セルジオ越後】本田のパチューカ移籍は、言うなれば「リセット」だ

2017年07月26日 サッカーダイジェスト編集部

もしもパチューカでもミランの時のような処遇だったら…

メキシコ行きを決めた本田。新天地でかつての勢いを取り戻し、日本をロシアに導けるか。(C)Getty Images

 昨季限りでミランとの契約が満了し、去就が注目されていた本田の新天地が、メキシコのパチューカに決まったね。

 約3年半を過ごしたイタリアでは、正直、成功を収めたとは言い難かった。過去を振り返っても、日本人アタッカーが欧州のビッグクラブで主力級の活躍をしたケースはほとんどないけど、本田も例外ではなかったというわけだ。

 その後に辿る道もまた同じで、どうしても次の移籍先の格は落ちてしまうもの。たしかにパチューカはメキシコ屈指の名門で、前日本代表監督のアギーレが指揮を執ったことでも有名だ。だけど、ミランと比べれば、マイナーと言われてもしょうがない。
 
 日本国内では、新たな挑戦を好意的に捉える報道もあるようだけど、世界基準で値をつけるとしたら、選手としてのバリューは下がったのではないかな。

 本田にとって今回の移籍は、ひと言で表わすなら「リセット」だ。ある意味、名古屋からオランダのVVVに移った時と同じかもしれない。海外を舞台にどれだけ戦えるか。そういう視点で考えれば、一からの出直しだよね。

 それだけに、いたずらに騒がないで、静かに見守っていればいいんだ。もはや彼はスーパースターでもなんでもない。前所属での活躍が認められての移籍ではないけど、それを恥じる必要もない。

 現地でどれだけ注目や期待をされているかは分からない。でも、そもそも、まだ試合にも出ていないんだ。万が一、パチューカでもミランの時と同じような処遇だったら、厳しい言い方になるけど、そこまでの選手だったということ。年齢的にも巻き返すのは難しいだろうね。

 それぐらいの覚悟を持って、パチューカでかつての勢いを取り戻せるか。日本代表として、今度のオーストラリア戦、あるいはサウジアラビア戦で、来年のロシア・ワールドカップに導くようなプレーを見せられるかは興味深い。
 
 最終予選の2試合を残してグループBの首位に立っているハリルジャパンも、盤石の強さを見せているわけではないよね。なにしろ、次のオーストラリア戦に負ければ、3位転落の可能性だってあるんだから。

 日本がここまで追い込まれているのも、本田が本来のパフォーマンスを発揮できていないからだと僕は見ている。6月のイラク戦では久々にフル出場して、それなりの評価を得たみたいだけど、肝心の試合はどうだった? 勝っていないよね? 攻撃の起点になった程度で満足してもらっては困るよ。 

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