【U-20代表】トゥーロン国際に続き大抜擢された無名の大学生ストライカー・小松蓮とは何者か?

2017年07月15日 川端暁彦

後半頭から出場し、アピールに成功。

後半頭から出場した小松(9番)は、このチャンスを生かして同点ゴールをもたらした。写真:川端暁彦

 U-23アジア選手権予選(@カンボジア/7月19日~23日)に臨むU-20代表が、7月11日から14日まで千葉県内で国内合宿を行なった。
 
 今大会に向けて、日本は"3年後"を睨み、東京五輪世代――すなわちU-20代表をエントリー。天皇杯3回戦(12日)でメンバー入りした選手たちも合流し、23名全員が揃って2日目を迎えた14日には、ユニバーシアード日本代表(大学生の日本代表チーム)との練習試合が行なわれた。
 
「前半はまるで寄せ集めのチームみたいになってしまった」
 
 内山篤監督は開口一番、厳しい表情で試合を振り返った。「積み上げてきたことを何もやらずに勝手にやっていて、バランスを崩していた」と語ったように、攻守両面で噛み合わず。ビルドアップはもちろん、守備面でも2トップからの追い方がチグハグで、ユニバ代表が簡単にボールを動かすことを許していた。
 
 仮にこれが公式戦であれば、早々に交代カードを切られていただろう。指揮官は「U-20ワールドカップから1か月が経って、少し勘違いしている選手がいるのかもしれない」とまで言って、表情を曇らせた。
 
 1-2のスコアで迎えた後半は、メンバーを大きく変更。すると、2トップの役割分担が明確化される。大型FWの小松蓮(産業能率大)が前線で張ってDFを引っ張りつつ、中坂勇哉(神戸)が巧みにゾーンの間へ顔を出して「少ないタッチでいなす」(中坂)意識を持つことで機能。守備でも2トップが状況に応じて縦関係を作ることで相手の攻撃を抑制した。
 
「寄せ集め」という言葉は、後半のメンバーにも当てはまった。実際「ほとんどやったことのない選手」(中坂)、「初めてやるメンバーばかり」(小松)と言う声も聞かれたほどだ。だが、そのことでかえってしっかり攻守の約束事を守り、チームワークを重視する意識が働いた面もあったのかもしれない。
 
 内容面では後半のほうが明らかにポジティブで、ゲームは2-2のドローに終わった。後半唯一の得点は、高木彰人(G大阪)の右からのクロスに対して、斜めに入った小松が相手DFの前で触って決めた一発。「シンプルにうれしかった」という小松が振り返ったのには、ちょっとした理由がある。

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