闘病中のチームメイトを激励するため、A・ビルバオの選手全員が「丸坊主」に!

2017年07月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

抗がん剤治療を続けるジェライを励ますために。

昨シーズンは昇格1年目ながら26試合に出場したジェライ(中央)。一日も早い復帰を願いたい。写真はA・ビルバオの公式ツイッターより

 今年6月に精巣がん再発の疑いがあると診断され、抗がん剤による化学療法をスタートさせたスペインU-21代表DFのジェライ・アルバレスを励ますため、アスレティック・ビルバオの選手たちが驚きの行動に出た。


 7月7日にクラブの公式ツイッターで公開されたのは、ジェライを中心にトップチームの選手がズラリと並んだ写真。そこに写っている全員が、なんと「丸坊主」だった。

 治療に向けて髪の毛を剃り上げたジェライと気持ちを共有できたら素晴らしい――。そう考えたチームメイトは、全員で坊主になることを決断。そのことを知らずに、恥ずかしそうに帽子を被りながらクラブハウスを訪れたジェライは、出迎えてくれた仲間たちの頭を見て驚き、大声で笑い、そして感極まった表情を見せていた。

 ロッカールームでは22歳の若者を中心に輪が作られ、全員で飛び跳ねながらジェライの名前を連呼する。ジェライの帽子はだれかの手によって剥ぎ取られ、28個の笑顔と坊主頭が揺れていた。

「友人でありチームメイトであるジェライに、心地よい気持ちでいてほしかったんだ。そして、彼と同じ病気に苦しむ全ての人に対しても、僕らがいつもそばにいるということを示したかった」

 スペイン代表MFのオスカール・デ・マルコスはそう語る。

 昨年12月に精巣がんの摘出手術を受け、その約2か月後に戦列に復帰してレギュラーの座をつかみとったジェライは、「僕は何度でも乗り越えてみせる」と強気の姿勢を崩さない。

 バスク純血主義を貫くA・ビルバオの強い絆に支えられた若きCBが、再び病気に打ち克ち、元気な姿でピッチに帰ってくる日を待ちたい。

文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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