大スターのみならず若手逸材も…ペレス・マドリーの強化戦略の変化とは?

2017年07月06日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

第2次政権突入後は強化戦略に小さくない変化が。

18歳の時に契約を交わしたアセンシオは、昨シーズンに貴重なバックアッパーへと成長。若手有望株への投資が実りつつある一例だ。(C)Getty Images

 レアル・マドリーの強化戦略をいわば牛耳ってきたのが、フロレンティーノ・ペレス会長だ。

 2000年6月にはじめて会長に就任したペレスは、ルイス・フィーゴの強奪(バルセロナから)を皮切りに、翌シーズンにはジネディーヌ・ジダン(ユベントスから)、その後もロナウド(インテルから)やデイビッド・ベッカム(マンチェスター・ユナイテッドから)など毎年のようにスーパースターを迎え、"銀河系"と称される空前のスター軍団を築き上げた。

 当時から移籍市場で絶大な影響力を誇ってきたペレス会長は、2009年の第2次政権突入後もマドリーの補強の全権を握ってきたが、その傾向には小さくない変化が見てとれる。全新戦力の平均年齢がおよそ25歳だった第1次政権に対し、第2次政権になってからは23歳と、2歳ほど若くなっているのだ。第2次政権で同年齢が25歳を上回ったのが12-13シーズンのみという事実も特徴的だ。

 実際、フィーゴを獲得したのは彼が27歳の時。ジダン、ロナウド、ベッカムも、それぞれ29歳、25歳、28歳の時に契約している。当時はすでに脂が乗り切ったスーパースターを補強の中心に据えていたことが窺える。しかし、06年2月の退任から約3年の時を経て09年6月に現職に復帰して以降は、より若くさらなる成長が望める選手を多く獲得するようになってきた。

 確かに復帰初年度は、いずれも27歳のカカとシャビ・アロンソのように完成された選手に大枚を叩いた。しかし一方で、21歳のカリム・ベンゼマのようなスター候補生にも高額を投じている。すでにバロンドール受賞歴があったクリスチアーノ・ロナウドにしても当時は24歳で、まだまだ進化の余地を残していた。

 翌10-11シーズンは、ジョゼ・モウリーニョ新監督の肝煎りで32歳のリカルド・カルバリョのようなベテランも獲得しているが、補強の中心はやはり若い世代。23歳のサミ・ケディラ、22歳のアンヘル・ディ・マリア、21歳のメスト・エジルも含めた7人の新戦力の平均年齢は23.7歳だった。

次ページ見え隠れする中・長期的な視野に立った戦略。

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