首位の柏が獲得した新戦力、キム・ボギョンが"優勝へのラストピース"になり得る理由

2017年06月30日 鈴木潤

充実の攻撃陣を擁しながら、キム・ボギョンを獲得した最大の要因は…。

キム・ボギョンの背番号は15に決まった。写真:鈴木潤

 期待の新戦力、キム・ボギョンが日立柏サッカー場で加入会見を行なった。チームの目標を「勝点60」から「優勝」へ上方修正した柏にとって、タイトル獲得のキーマンとなりうる存在である。
 
「柏が熱烈に自分を必要としてくれた。チームのビジョン、今のチームの順位、チームの未来を考えた時に、自分がこの決断をしても後悔をしないだろうと思い、移籍を決めた」
  
 会見の席で、移籍の理由をそう話すキム・ボギョンは、続けて自身のプレーについて質問が飛ぶと「攻撃的なポジションで使われることが多いので、ゴールに絡むプレーを見てほしい」と意気込みを口にしている。
 
 現在、柏の攻撃陣はクリスティアーノをはじめ、伊東純也、中川寛斗、武富孝介がスタメンに名を連ね、サブには大津祐樹、ディエゴ・オリヴェイラ、ハモン・ロペスと豊富な陣容を誇っている。
 
 これだけの選手層を揃えながらも、キム・ボギョン獲得に乗り出した最大の要因は、間違いなく攻撃力の増幅を見据えてのものだ。実際に、会見後に記者の囲み取材に応じた渡辺光輝強化部課長は「今は首位にいるが、今後は攻撃の部分で相手も対策してくると思う。さらにそこを崩していけるようなことを考え、中盤のエリアでボールを受けて、決定的な仕事をすることを期待している」と獲得の理由を述べていた。
 
 4−2−3−1をメインに戦う柏にあって、おそらくキム・ボギョンは2列目の"3"のいずれかのポジションを務めることになるだろう。柏は自分たちがボールを握る攻撃的なスタイルを志向しているが、直近の10試合で9勝1分と好調を収めている要因は、相手ボールになった瞬間にハイプレスを仕掛けてボールを奪い返しにいく守備意識が浸透しているからである。

 攻撃的なサッカーをするからこそ、即座にボールを奪い返しにいく。中川、武富、伊東の攻撃陣によるチェイシング、プレスバックは、紛れもなく好調を支えるチームの生命線だ。
 
 したがって、下平隆宏監督は「直接的に攻撃力アップにつながるプレーを期待している」とキム・ボギョンの攻撃力を期待する一方、「チームのスタイルで言えば、得点力だけでは試合には出られない。うちでは守備力も求めるので、そういうタスクをこなせるようになってから」と守備の必要性を説いた。

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