これまで率いたチームでは攻守のバランス向上を実現。
ルイス・エンリケの後任としてバルサ新監督に就任したバルベルデ。どんなチームを作るか。(C)Getty Images
5月29日にバルセロナの新監督となったエルネスト・バルベルデ。筆者がそのサッカーを初めて生で見たのは、エスパニョールを率いていた2006-07シーズンのことだ。
当時30歳のイバン・デ・ラ・ペーニャがボランチの位置からゲームを組み立て、ラウール・タムード、ルイス・ガルシア、アルベルト・リエラ、フランシスコ・ルフェテらアタッカーたちに矢のようなスルーパスを通していく。そんなスピーディーかつダイナミックなサッカーでUEFAカップ決勝進出を果たした当時のエスパニョールは、バルサとレアル・マドリーだけではないリーガの魅力を体現するチームだった。
その後、オリンピアコスでの成功(国内リーグと国内カップ戦の二冠)を経て経験したビジャレアルにおけるわずか半年での解任は、彼の監督キャリアの中で唯一の挫折だと言える。当時のビジャレアルは、チームを5シーズン率いたマヌエル・ペジェグリーニをマドリーに引き抜かれた直後。異なるコンセプトを持ち込んだバルベルデは、前監督に心酔していた選手たちの拒絶反応を招いてしまった。
ただ、その経験も無駄にはしなかった。再びオリンピアコスを2シーズン率いた後、12-13シーズン半ばに就任したバレンシアでは、ピッチ内外でその教訓を生かしたチームマネージメントを見せている。
まずマウリシオ・ペジェグリーノ前監督に贔屓されていたフェルナンド・ガゴを外し、キャプテンのダビド・アルベルダを先発に戻すことでロッカールームのパワーバランスを整え、選手間の対立を落ち着かせた。ピッチ上ではエスパニョールやビジャレアル時代とは裏腹に、スピードよりテクニック優先の人選でポゼッションを高めてゲームをコントロールする手堅いアプローチで、チームの立て直しに成功している。
これらの経験を経て、16-17シーズンまで4年率いたアスレティック・ビルバオでは、何よりも攻守のバランスを重んじるサッカーに落ち着いた印象だ。マルセロ・ビエルサ前監督が植えつけた縦へ縦へと突き進むダイナミックな攻撃はそのままに、守備時のポジションバランスを整えることで失点数は激減。就任1年目でチャンピオンズ・リーグ出場権を勝ち取ると、その後もアイメリク・ラポルテ、イニャキ・ウィリアムス、ジェライ・アルバレスといった若手をチームに組み込みながら、安定して好成績を残してきた。
当時30歳のイバン・デ・ラ・ペーニャがボランチの位置からゲームを組み立て、ラウール・タムード、ルイス・ガルシア、アルベルト・リエラ、フランシスコ・ルフェテらアタッカーたちに矢のようなスルーパスを通していく。そんなスピーディーかつダイナミックなサッカーでUEFAカップ決勝進出を果たした当時のエスパニョールは、バルサとレアル・マドリーだけではないリーガの魅力を体現するチームだった。
その後、オリンピアコスでの成功(国内リーグと国内カップ戦の二冠)を経て経験したビジャレアルにおけるわずか半年での解任は、彼の監督キャリアの中で唯一の挫折だと言える。当時のビジャレアルは、チームを5シーズン率いたマヌエル・ペジェグリーニをマドリーに引き抜かれた直後。異なるコンセプトを持ち込んだバルベルデは、前監督に心酔していた選手たちの拒絶反応を招いてしまった。
ただ、その経験も無駄にはしなかった。再びオリンピアコスを2シーズン率いた後、12-13シーズン半ばに就任したバレンシアでは、ピッチ内外でその教訓を生かしたチームマネージメントを見せている。
まずマウリシオ・ペジェグリーノ前監督に贔屓されていたフェルナンド・ガゴを外し、キャプテンのダビド・アルベルダを先発に戻すことでロッカールームのパワーバランスを整え、選手間の対立を落ち着かせた。ピッチ上ではエスパニョールやビジャレアル時代とは裏腹に、スピードよりテクニック優先の人選でポゼッションを高めてゲームをコントロールする手堅いアプローチで、チームの立て直しに成功している。
これらの経験を経て、16-17シーズンまで4年率いたアスレティック・ビルバオでは、何よりも攻守のバランスを重んじるサッカーに落ち着いた印象だ。マルセロ・ビエルサ前監督が植えつけた縦へ縦へと突き進むダイナミックな攻撃はそのままに、守備時のポジションバランスを整えることで失点数は激減。就任1年目でチャンピオンズ・リーグ出場権を勝ち取ると、その後もアイメリク・ラポルテ、イニャキ・ウィリアムス、ジェライ・アルバレスといった若手をチームに組み込みながら、安定して好成績を残してきた。