【日本代表】連戦で証明した昌子源の価値。豪州戦でハイプレスをやるなら、このCBが必要だ

2017年06月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

川島とのすり合わせは必要かもしれない。

シリア戦ではバタついたが、イラク戦では安定したプレーを見せた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ最終予選、イラク戦を1-1で引き分けた日本代表。残るは2試合。勝点1の差で首位の日本は、ホームのオーストラリア戦と、アウェーのサウジアラビア戦のどちらかに勝てば、本大会進出が決まる。

 落胆したイラク戦だが、一筋の光明がさした思いもある。それはセンターバックの昌子源だ。動きの硬いシリア戦を経験し、迎えたイラク戦は、昌子の能力が存分に発揮された。8番のFWモハメド・カッラルらは、長友佑都や吉田麻也の裏のスペースを狙って飛び出したが、ひとつずつオフサイドに仕留め、危なげなくカバーもできていた。長めのボールなら、昌子は難なく回収できる。このスペースカバーの範囲の広さは、やはり魅力的だ。
 
 長友や酒井宏樹はもちろん、今シーズンのプレミアリーグのスピードランキングで、周囲を驚かせるランク入りを果たした吉田も、明らかに以前より速くなっている。スピード派4バックの形成は、ハイプレス好きのハリルホジッチ戦術を下支えするだろう。
 
 ただし、このイラク戦は日本全体がコンパクトに待ち構えたこともあり、遠藤航と井手口陽介、今野泰幸が中盤に蓋をしてくれる時間が長かった。たとえば、72分の失点シーンのように、中盤を抜けられた時に、どんな対応ができるか。
 
 ドリブルで割ってきた10番のFWアラー・アブドゥルザフラに対し、昌子は飛び込んだ。FWアブドゥルザフラはボールを右に切り返し、昌子はそれに回転しながらついて行こうとしたが、足を滑らせ、前に抜けられてしまった。(結果的にはその後に相手もバランスを崩し、こぼれ球から事故が起きたのだが……)
 
 果たして利き足ではない左側にボールがあった相手に対し、そこまで前に飛び込む必要があったのか。利き足に切り返されるくらいなら、ファーサイドのシュートコースを切って、そのまま寄せたほうがいい。もっと優れたストライカー、テクニシャンなら、かわした後に利き足でシュートに行っただろう。
 
 吉田とはいろいろな戦術的なすり合わせをしたようだが、この辺りは川島とも、もっとすり合わせが必要ではないか。

次ページオーストラリアは正直、そこまで強い相手とは思わない。

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