天皇杯決勝の劇的弾から半年、元鹿島のファブリシオがポルトガルで躍動!

2017年06月14日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

7年ぶりの1部昇格に貢献。

天皇杯決勝で勝ち越しゴールを叩き出したファブリシオ。この千金弾を置き土産に鹿島を去った。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 劇的だった日本ラストゴールを記憶している方も多いだろう。
 
 2017年1月1日に開催された鹿島アントラーズ対川崎フロンターレの天皇杯決勝。1-1で延長戦にもつれ込んだ激闘に終止符を打ったのが、鹿島のファブリシオの一発だった。
 
 94分にCKの流れからペナルティーエリア内でボールを受けると、右足を一閃。豪快にネットを揺らしたこのゴールが決勝点となり、ファブリシオは鹿島の6大会ぶり5回目の戴冠の立役者となった。
 
 しかしその5日後、このブラジル人MFの契約満了での退団が発表される。昨年7月にポルティモネンセ(ポルトガル2部)からレンタル移籍で加入したものの、なかなかプレータイムが伸びずJ1ではわずか8試合(200分)の出場のみ。1ゴールに終わっていた。
 
「日本に馴れるのに難しい部分があった。クラブスタッフ、チームメイト、そして見捨てずに応援してくれたサポーターに感謝したい」というコメントを残し、天皇杯優勝を置き土産に鹿島を去ったファブリシオは、古巣ポルティモネンセに復帰。再びポルトガル2部でプレーする道を選択した。
 
 鹿島の同僚だった金崎夢生がプレーしたチームとして知られているポルティモネンセは16-17シーズン、「昇格請負人」として知られるヴィトール・オリベイラ監督の下で7シーズンぶりの1部復帰を目指して序盤から首位を走っていた。
 
 1月に半年ぶりに復帰したファブリシオは、この知将の信頼を即座に勝ち取り、レギュラーの座を奪取。インサイドハーフをはじめ、トップ下やCFなどさまざまなポジションで起用され、アグレッシブにゴールに迫る持ち味を存分に発揮した。
 
 特大の輝きを放ったのが、32節のベンフィカB戦だ。チームの全得点に絡む2ゴール・1アシストの活躍で、難敵からのアウェー戦勝利(3-2)の原動力となった。
 
 このファブリシオの活躍もあり、ポルティモネンセは2位アベスの追撃をかわして優勝を飾る。シーズン終盤は故障で欠場したとはいえ、勝手知ったポルトガルの地で躍動したファブリシオは12試合で4ゴールを挙げ、昇格に大きく貢献した。

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