【日本代表】森重不在の中、期待に応えられなかった昌子源。「叩かれてナンボ」の精神でさらなる成長を期す

2017年06月08日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「俺が麻也くんに声をかけて、『今のナイス』と言ってくれることも」

シリア戦は1失点も、お互いの考えを刷り合わせることはできた。イラク戦に向け、吉田(22番)は「また源と組むとしたら、さらにいいものを作り上げられるように」と語る。(C)SOCCER DIGEST

[キリンチャレンジカップ2017]日本 1-1 シリア/6月7日/東京スタジアム
 
 いつもよりも敵を近くに感じていた。普段のJリーグとは違う感覚だ。だから、早めにボールを放す。だが、「よくよく見たら、あんまり近くなかった」。昌子源は正直に話す。「ちょっとあがっていたのかな」。
 
 日本代表での先発出場は、初キャップを刻んだ2年前の3月のウズベキスタン戦以来のこと。奇しくも、場所は当時と同じ東京スタジアム。「初めてスタメンで出た時よりは、落ち着いてできた」。緊張もなかった。それでも、「最初の入りは、自分でも硬いなと思った」。
 
 ただ、時間の経過とともに、徐々にリラックスできたと言う。CBでコンビを組む吉田麻也や、同じサイドの長友佑都との連係も取れるようになってきた。相手の特長を掴み、1対1でも落ち着いて対応する。危ない場面があれば、すぐに吉田と意見交換をした。
 
「俺が麻也くんに声をかけて、『今のナイス』と言ってくれることもあった。それで感覚が掴めた部分もあった」
 
 それだけに、48分の失点に関与したことが悔やまれる。セットプレーの守備で、ゴールを決めたシリアのマルドキアンは昌子が見るべき相手だった。
 
 放り込まれたクロスに対し、身体を投げ出して撥ね返そうとした。届くと思った――だが、ボールは無情にも昌子の頭上を通り越すと、背後にいるマルドキアンが完璧なタイミングでヘディングシュートをねじ込んだ。
 
 ショートコーナーを簡単に許したチームとしてのミスはあったとはいえ、昌子が空中戦で競り負けて先制を許したのは、誰の目にも明らかだった。
 
 キリンチャレンジカップのシリア戦、ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦が組まれた今回の6月シリーズでは、代表のレギュラーCBだった森重真人が選外となっている。怪我ではなく、純粋にそのパフォーマンスが指揮官のお眼鏡にかなわなかった。
 
 つまり、最終ラインの軸である吉田は別にして、CBでは現時点で森重より、昌子や槙野智章、三浦弦太が評価されて、代表入りを果たした。
 
 森重不在の状況で、誰が吉田のパートナーを務めるかはひとつの注目だった。そして、シリア戦では昌子が先発に抜擢される。代表のレギュラーを掴む大きなチャンス。周囲の期待も決して小さくはない。それに応えられたかと報道陣から問われると、昌子は次のように応じた。

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