【清水】横浜戦の敗因は実にシンプル。守備が"水もの"では、勝ちは拾えない

2017年05月28日 前島芳雄

今季は得点した直後の失点が非常に目立つ。

エースの鄭(左)は中澤(右)を中心とする横浜の守備陣からゴールが奪えなかった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ13節]清水 1-3 横浜/5月27日(土)/アイスタ
 
歯がゆい……悔しい……やり場のない……何とも表現しがたい感情が、試合後のホーム側スタンドを支配していた。
 
 サッカーの内容で負けていたわけではない。シュート数は清水=15本/横浜=6本と圧倒し、決定機の数も、横浜の3回に対して清水は6回。良いプレーを見せた選手も多かったが、終わってみれば決定機をすべて決めた横浜に1-3の完敗。またしても清水は、J1で2年ぶりとなるアイスタでの勝利を飾ることができなかった。
 
 多くの選手は、最後まで勝利を諦めない気持ちとハードワークを見せただけに、サポーターとしても無念さをどこにぶつけたら良いのかわからない。そんな情景に、なんとも言えない切なさを覚えた。
 
 ただ、敗因はシンプルだ。攻撃でも守備でも、最後のところで詰めの甘さが出たことにある。とくに失点は、3つとも悔いが残る失態を伴っていた。
 
 1点目は、スローインのところで一瞬マークが甘くなって簡単にクロスを上げられ、虚を突かれて逆サイドの松原健を完全にフリーにしてしまった。
 
2点目は、マルティノスのクロスとウーゴ・ヴィエイラのボレーが素晴らしかったのは確かだが、同点に追いついた直後で簡単にカウンターを食らったのは明らかに不用意だ。
 
3点目は、攻めに出た中でカウンターを受けるのはしかたないが、交代出場で体力が残っているボランチの野津田岳人がカバーのために全力で戻らなかったことに対して、小林伸二監督は激怒した。
 
 なかでも得点後の試合運びは、以前から課題となっており、今季は得点した直後に失点することが非常に目立っている。前節の浦和戦でも、0-2という窮地から一気に3点を奪って逆転したが、その3分後にゴールを決められ、3-3の引き分けに終わった。今節も、同点ゴールからわずか2分後に決勝ゴールを許してしまった。
 
「(得点後に)ホームだと前がかりになってしまうし、アウェーだと引き過ぎてしまう。今日はホームで何としても勝ちたかったし、サポーターも応援してくれるから(気持ちが)高揚して全員が前から行く感じになって、後ろが空いてしまいました。しっかり話し合って、今日の失敗を次に生かしたいです」と、キャプテンの鄭大世は唇をかんだ。

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