【名古屋】10年ぶりの三ツ沢で魅せた楢﨑正剛。かつてのホームスタジアムに「雰囲気が好き」

2017年05月28日 本田健介(サッカーダイジェスト)

中里のFKを左手1本でセーブ。

懐かしのスタジアムで10年ぶりにプレーした楢﨑。好セーブでチームに勝点3をもたらした。(C)SOCCER DIGEST

[J2 16節]横浜FC1-2名古屋/5月27日/ニッパツ
 
 名古屋が1点リードで迎えた88分だった。横浜FCの中里の鋭いFKを左手1本で阻んだのが楢﨑だった。まさにチームを救うビッグプレー。立ち上がりの8分には、警戒していた相手エースのイバに直接FKを叩き込まれただけに、GKとして意地のセーブだった。
 
「直接(FK)でやられるというのは、そんなに多くない自信はあったんですが、初っ端にやられたので、さすがに2回目だったら立場はないと。意地と言われれば意地でした」
 
 この日の会場は横浜フリューゲルス時代にホームスタジアムとして戦った三ツ沢公園球技場(現・ニッパツ三ツ沢球技場)である。今季、名古屋がJ2を戦うことで10年ぶりに思い出のピッチに舞い戻った。それも対戦相手は、経営難で横浜フリューゲルスが事実上消滅した後に、誕生した横浜FCだ。注目度は否が応でも増す。ただ、本人はいたって冷静だった。
 
「移籍した選手が古巣相手に戦うという感覚は羨ましく思いますが、僕にとってはそういうチームではない。でも、三ツ沢の雰囲気は好きです。かつてはホームゲームを戦っていたので。といっても名古屋のほうが随分長いので、そんなに思いにふけることはなかったです」
 
 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間に、大きなガッツポーズを見せた41歳の守護神は、その後チームメイトたちと力強く抱擁を交わした。J1昇格を目指すチームにとって、最後尾に君臨する男の姿は頼もしい限りだ。在籍19年目を迎えた大黒柱はいぶし銀の活躍で、チームの暫定首位浮上に貢献した。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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